ブリティッシュ・ジャズ・ロック・シーンの歌姫として数々の名作/重要作に参加したヴォーカリスト、ノーマ・ウィンストンの1997年録音作品。バックを固めるのは同じくブリティッシュ・ジャズ・シーンのサックス奏者TONY COEをはじめ、STEVE GRAY、CHRIS LAURENCEといったドラムレストリオ。かつてのブリティッシュ・ジャズ・ロック往年の名作では楽器としての声やポエトリー・リーディングなどが多い彼女ですが、本作ではより表に立ったスタイルになっており、スタンダードやジョビンのナンバーなども多く、比較的オーソドックスなジャズ・ヴォーカル作品といった雰囲気を漂わせています。ノーマの美声に酔いしれたい人はもちろん、女性ヴォーカル・ファン全員に聴いてもらいたい作品です。ハイライトはM6「PEOPLE WILL SAY WE'RE IN LOVE」でしょうか。軽やかで舞い上がるようなリズムに普段より若干楽しげなノーマと勢いを増すサックス、リズミカルなバッキングとアグレッシブなソロで攻め立てるシンセ/ピアノ、そして再び登場するノーマ。曲としての完成度も素晴らしいですが、静謐で落ち着いた曲が多い中、この曲が良いアクセントとなり結果としてアルバム全体をも光り輝かせていると言えるでしょう。
NORMA WINSTONE(vo), STEVE GRAY(p,synth), CHRIS LAURENCE(b), TONY COE(ts,cl)
