今回が世界初のリイシューとなる「Nuh Skin Up」。オリジナルはプレーンスリーブに”Nuh Skin Up Dub”と手で押されたスタンプのみのジャケットの、おそらくほとんどプロモ盤的に極僅かな枚数のみリリースされたアルバムで、「UK」のJoint International(いくつかのキースハドソンのディスコグラフィーにはUS盤となっているが、本当はUK盤。)から79年にリリースされたメガレア盤にしてキースハドソンの最後のインストゥルメンタルダブアルバム(キースハドソンは肺がんの為、1984年にNYで没)。最も優れたダブアルバムの3指に入るであろう歴史的なダブアルバムの最高傑作「Pick A Dub」から始まったキースハドソンのダブという音楽に対する情熱と創造性がこの「Nuh Skin Up」により究極の完成を見せた。 キースハドソンのヴォーカルアルバムである「From One Extreme To Another」(Aka Black Morphologist Of Reggae)からのトラックを流用したダブで、バックバンドを努めるのは「Pick A Dub」からキースハドソンを支え続けてきたSoul Syndicate。そしてここで聞けるSoul Syndicateの演奏は彼らの残した演奏の中でも間違いなくトップクラスの素晴らしい出来。ハイライトナンバー“Ire Ire”の凄まじさ。この催眠的でダークな、幻想的な雰囲気を持ったスローテンポの絶望的なまでの美しさを誇るキラーダブ。何度聞いても飽きるという事を知らず、一度聞けば頭から決して離れる事のない、非常に中毒性の強い危険なダブだ。79年という年代ながら未来のダブシーンを予見したかのようなモダンな印象も持ちつつ、その正反対に「Pick A Dub」のような70年代中期のダブアルバムたちが持っていた古ぼけた生暖かい、なんとも心地よい埃臭さの両方を兼ね揃えた奇跡のアルバム。そして聞いてもらえばわかるが、この独特の質感を持った音像!!!他の誰でもなく、キースハドソンでなくては決して成し得なかったであろう異形のダブの世界。ダブファンは絶対必聴です!!!