タウンズ・ヴァン・ザントやガイ・クラーク、ジョン・プラインら逸材を輩出してきたテキサス・シンガーソングライターの系譜。その本流を継承する新たな才能がLOST HIGHWAYより全米メジャー・デビュー。
ヘイズ・カールは恐らく現在30歳前後の男性シンガーソングライター。テキサス・ウッドランドの出身で若い頃からボブ・ディラン、クリス・クリストファーソン、ジョン・プラインなどを聴いてきて影響を受けました。最初にギターを手にしたのは思春期真っ盛りの15歳のとき。地元の高校を卒業して、アーカンソーの大学に進み、大学卒業後はテキサスに戻り、ほどなくしてアメリカーナ音楽のメッカ、オースティンに腰を落ち着けたそう。この作品は「オー・ブラザー!」~ルシンダ・ウィリアムス~ウィリー・ネルソンらを抱えるロスト・ハイウェイからの全米メジャーデビュー作品ですが、この成功を掴むまでには相応の下積みも経験したらしく、ちょっとネットを調べると、door-to-doorでvacum cleaners(掃除機のことですよね?)を売り歩いていたセールスマンだった時期もあるとかないとか。
2002年には『FLOWERS & LIQUR』、2005年には『LITTLE ROCK』というアルバムをそれぞれインディーズからリリースし、2006年5月にロストハイウェイと契約した模様。
ヘイズ・カールの歌声は70年代シンガーソングライターファンなら一発で気に入ってしまうような味わいと濃くのある歌声です。ぜひ下記にmyspaceのリンクを貼ってあるので試聴してみて下さい。ブログ「橋下駄の音」さんが「ウィスキー・ヴォイス」と表現していまいたが、まさにそんな印象。そんな歌声で硬軟織り交ぜた、あるいは緩急を使った様々な楽曲で歌ってくれるのです。
冒頭の「DRUNKEN POET'S DREAM」--和訳すると「酔いどれ詩人の夢」でしょうか--は、先輩ミュージシャンのレイ・ウィリー・ハバードとの共作。テキサス・シンガーソングライターの系譜を継いだ本作の幕開けに相応しい骨太のナンバーです。
1,2曲ときて一息つけるのが3曲目「GIRL DOWNTOWN」。長閑なバンジョーの伴奏が印象的なフォーキー・ナンバー。女性ヴォーカルのハーモニーも入り、作品全体の緩急でいえば、緩の部分の良曲です。
続く4曲目「BAD LIVER AND A BROKEN HEART」はエレクトリックのギター・サウンドを筆頭にロック・スタイルのバンド・サウンドを強く押し出した力強いナンバーです。
ヘイズ・カール自作の「BEAUMONT」はバックのサウンドも汗臭くなく、シンガーソングライター作品として落ち着いて耳を傾けることができるナンバーです。こんをつめて歌う「I GOT A GIG」も聴きどころがあります。歌の佇まいに反して涼しげに鳴るバンジョーの調べが何かを皮肉っている/何かを対比させているようで印象に残ります。
7曲目「FAULKNER STREET」もバンド・サウンドのナンバー。ファッツ・カップリンが弾くペダル・スティールの旋律がけっこう大きく聴こえるため(間奏でソロをとる場面もある)多分にカントリー・テイストを感じる8曲目「WILD AS A TURKEY」。
プロデューサーのブラッド・ジョーンズが弾くなかばやけっぱちな(ホンキートンクピアノを意識している?)ピアノ伴奏が大きくフィーチャーされた「A LOVER LIKE YOU」に続く「I DON'T WANNA GROW UP」はトム・ウェイツ・ナンバーのカヴァー。歌い手としての力量が試される本作の中で1,2を競うハイライトです。
終わりにきて「WILLING TO LOVE AGAIN」はナッシュヴィルきっての名ソングライター、ダレル・スコットとの共作品。演奏もヘイズとダレル・スコットのデュオ。ヘイズがアコギを弾き歌い、ダレル・スコットがワイゼンボーンで味付けしながら時節ヴォーカルで加わるといった内容。
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●こちらの商品は、新宿本館5F 新宿ルーツ&トラディショナル館で取扱いがございます。