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ヴィニシウス・カントゥアリアが日本独自企画でレコーディングしたジョビン曲集「ヴィニシウス・カンタ・アントニオ・カルロス・ジョビン」が限定アナログ・プレッシング。
ニューヨークのブルックリンを拠点に活動するブラジル人シンガー・ソングライター、ヴィニシウス・カントゥアリアがリオからNYに移住したのは1994年のことだった。
それは、彼が昔からとりわけ敬愛してきた母国の音楽家アントニオ・カルロス・ジョビンが亡くなった年でもある。そして、そのジョビンの20周忌に合わせてリリースするつもりで2013年から録音が開始されたのが、ニュー・アルバム『Vinicius canta Antonio Carlos Jobim』である。
タイトルどおり、ジョビンの作品だけをカヴァーしたコンセプト・アルバムだ。しかし当然ながらヴィニシウスの歌は、これまで星の数ほど世に出てきたジョビンの諸々のカヴァー作品とは趣が異なる。ここにあるのは、潮風と共に宙を漂うボサノヴァではない。ヴィニシウスの横顔の輪郭を浮かび上がらせるのは、水面を舞う陽光ではなく、都会のアパートのカーテンの隙間から差し込んでくる一条の白い光である。そして、密林のむせかえるような湿気と精霊を宿したかのような、ほの暗く甘美な歌声...。原曲と作者への敬意に裏付けられたパフォーマンスは、独創的であると同時にジョビンの音楽の本質を射抜く。
SONG X オリジナル企画として東京で録音され、世界中から豪華ゲスト、ビル・フリーゼル、メロディー・ガルドー、セルソ・フォンセカ、沢田穣治、坂本龍一、ジョイスなどが参加。
VINICIUS CANTUARIA / ヴィニシウス・カントゥアリア