1,870円(税込)
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本作の主役、ダニエラ・オロビッツはアルゼンチンのパフォーマンス集団ロス・アマードスの看板歌手であり、同時に自らも作曲をこなすという才女。プロデュースに今やアルゼンチン~ウルグアイのジャズからフォルクローレまでを網羅する八面六臂の活躍のギタリスト、アラン・プラクタを迎えたソロ・デビュー作は、そんな彼女の並外れた才能を堪能できる作品となっている。
広大なパンパを思わせる独唱に始まり、次第にギター、そしてブラス・セクションによるアンサンブルを従えていくオープニング。アルゼンチンのコンテンポラリー・ジャズ・シーンのトレンドを想起させる複雑な和音とリズム・フィギュアがさりげなくバックを盛り立てながらも、あくまで彼女の美しい歌声とマントラのような歌詞にフィーチャアし、聴くほどに惹きこまれていく。
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#1 Y de amor no supe nada
#3では若くしてシーンの中心となりつつある女流ピアニスト、パウラ・ショクロンによる瑞々しいピアノと共に、まるでルーツ・アメリカーナのような世界を描いたかと思えば、英語タイトルとなった#5では弦楽アンサンブルをバックに朗々と歌い上げる。フォルクロリック・リズムにオルタナティブ・ロックな感性を反映させた#10のような曲も印象的。確固たる世界観はまるで大ベテランのような老獪さすら漂わせるが、これがデビュー作だというのであるから堂に入っている。彼女の成熟した音楽性、そして今最も旬と言えるプロデューサー=アラン・プラクタの手腕、そして先述のパウラ・ショクロン他、ダニエル”ピピ”ピアソラらによる精鋭たちによる的確なサポート。これらが相互作用し、奇跡的なサウンドを生み出している、素晴らしいコンテンツだ。
聴けば聴くほどに作り込まれたパーフェクトなサウンドであるが、一方で室内で暖を取るようなじんわりとした温かみがあり、トータル・アルバムとして理屈抜きに親しみやすさを感じるポップ・アルバムでもある。アルゼンチン・ジャズやコンテンポラリー・フォルクローレが好きな方はもちろん、アコースティック・スウィングやルーツ・アメリカーナもの好きにも、おススメできる一枚だ。
DANIELA HOROVITZ / ダニエラ・オロビッツ