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AKA「民謡の守門者」、日本民謡研究に於いて断トツの知識を持ち、しかもそれは書物のみならず全て自らの足で全国を回って得た「本当の知識」を持つ男、それが竹内勉です。その竹内勉がライフワークとして取り組んだのが本阿弥書店から全10巻が出版されているこの「民謡地図」シリーズ。数多い著作にちりばめられた唄の源流を、種類ごとに一気読みできるのが素晴らしい。
本作はシリーズ第1作目として2002年に出版されたもので、竹内が師である町田佳聲と共に編んだLP4枚組「民謡源流考」と対応する「はいや・おけさ」のルーツに鋭く迫った1冊です。日本民謡における最高のダンスチューンである「はいや」、そしてその「はいや」が越後に流れ着いて進化/洗練を遂げた「おけさ」の変遷を、「千石船」というキーワードと共に丁寧に追っていきます。人とモノを乗せて運ぶ船、港ごとにいる女たち、そこで生まれ/移動し/変わっていく唄を、消えゆく明治生まれの老人たちの貴重すぎる証言と共に蘇らせていく、シリーズの中でもマストな1冊!
あとがきでも触れられていますが、非常に重要なポイントとして挙げられるのは
1「源流考」の解説では「はいや節」の扇情的な調子のルーツを奄美の六調子に求めたが、これは誤りだった
2町田佳聲が「はいや節風だから」という理由で「源流考」に収録した「安房節」「三崎甚句」「下田節」の3曲に関して、「安房節」&「三崎甚句」は二上り甚句系、「下田節」に関しては潮来音頭に由来する唄であると思われることがその後の民謡研究で分かった
という2点の修正がなされていることです。研究の結果に満足することなく「死ぬまで」民謡を追い求めた竹内勉らしい修正です。
竹内勉