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SUBLIME FREQUENCIESより05年に初回CDリリースされ、ワールドミュージックファンからガレージファンまでの度肝も魂も抜き取った衝撃作VOL.1が増強版として2枚組デラックス・エディションでCDリイシュー!
新規リマスター、一部音源補修、ライナーノーツのアップデートはもちろんのこと、初回CDには未収録の音源4曲もボーナス収録!
2003年より勃発したイラク戦争の混乱混沌の中、音楽家やアーティストも過激派の犠牲になりミュージックショップは爆撃を受けヴェニューは閉鎖、、という絶望的な状況が続き米軍の撤退、過激派によるイスラム国樹立宣言などさらに混迷を深める現在ですが、本作収録曲の録音もVOL.2同様にサダム・フセイン時代の80年代から2000年代初頭。イラクのバース党は世俗主義的なアジェンダを打ち立て芸術活動育成を促進、文化センターの設立を見るなど、文化、特に音楽に関して寛容どころか積極的な側面もありました。7部門で構成されるイラク軍の第8部門は歌手である、との話もあるほど、どちらかというと芸能活動が優遇されていないアラブ世界では珍しい国家だったと言えるかもしれません。
イラク版ダブケ、イラクの盆踊りたるCHOUBI(チョービー)は、レバント地方の伝統的ラインダンス/音楽を引き継ぎながらも他国のそれよりもよりハードにパーカッシヴに、小型の太鼓KHISHBA (ヒシュバ)によって叩き出されるマシンガンビートが特徴の電化ダンシング民衆音楽。弦楽器、リード楽器、ベース、キーボードなどを加えた電化バンドと装飾的な即興ヴォーカルによって結婚式などでも演奏されるパーティ・ミュージックですが、本作に収録される大半はイラクではKAWLIYAと呼ばれるジプシーや貧困層など下層の人々の貴重な娯楽としてチープな町中のナイトクラブで演奏されていたバンド・歌手の録音です。
またCHOUBIのほか、酒や女を歌うバグダッドのアーバンサウンドBASTA(パスタ)、こぶしの効いたHECHA (HEJA)や、アラブ一帯で見られながらもイラク独自の詩形を持つ即興の節回しの浪曲MAWAL(マッワール)、なども一部収録。
「こちら側」の耳にはアヴァンギャルドに攻撃的に響く電子音とパーカッション、アジテートするかのようなヴォーカルで歌われる愛や恋やすったもんだな歌詞、、とこれが彼の地の何の変哲もない日常の娯楽だったわけですが、それも今は無き異文化体験。2014年現在、残念ながらイラク国内では音楽の多様性と統一性はますます断片化している状況ですが、レコードを聴くという行為を通して文化と歴史を「向こう側」から学ぶ機会としても本作は役立つかもしれません。限定盤2枚組、デジパック装。おなじみSFの大番頭、2013年来日の記憶も新しいハーフ・イラキのMARK GERGISコンパイル。
V.A. (SUBLIME FREQUENCIES)