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2018年新録新作がCD/LPリリース!
「俺がこんなアルバムを作ることになるとは夢にも思っていなかった。」
--- WILKO JOHNSON
「俺はもうじき死ぬ予定になっているんだ。」 キャンヴェイ・アイランドから生まれた名バンド、DR. FEELGOODの伝説的なギタリストだったWILKO JOHNSONは、2012年末に末期の膵臓癌と診断された。しかし医師たちの下した最悪の予想に反して、彼は元気一杯に活動を続けていった。さらには、かの有名なROGER DALTREYと組んだ共演アルバム『GOING BACK HOME』まで発表。これは彼のキャリアの中でも最高のヒット作となった。
このアルバムが大成功を収めたあと、WILKOはまた別の医師(ロック写真家でもあった)のサード・オピニオンにより手術を受け、ガンを克服したと発表。このキャリア後期の復活劇について、彼は独特のユーモアを交えながらこう述べている。「お前はじきに死ぬだろうと言われると、何より生きているって実感できるもんだね。」
本作は、WILKOにとって30年ぶりのオリジナルの新曲で構成されたアルバムである。ここで聴けるのは、まさに「生きていると実感している」人間のサウンドだ。このアルバムには、長年に渡ってWILKOのバックを務めてきたベーシストNORMAN WATT-ROYとSTEVE HOWEの息子でドラマーのDYLAN HOWEが参加。またプロデュースは、大ヒットしたDALTREYとの共演作『GOING BACK HOME』に続いてDAVE ERINGAが担当し、前作にも参加したキーボーディストMICK TALBOTとハーモニカでSTEVE WESTONも参加。WILKOは「自分がこんなアルバムを作ることになるとは夢にも思わなかった」と話す。収録曲のテーマとなっているのは、過去5年間に経験した試練の日々。たとえば"MARIJUANA"や"TAKE IT EASY"といった曲は、彼が受けた末期癌の告知のことを直接採り上げている。
30年ぶりの新曲の歌詞について、WILKOはこう語る。「70歳にもなると厄介だよ。つまり、この年齢の人間が何を歌えばいいんだい? 『愛してるよベイビー、でも君はつれないよね』とかなんとか歌うっていうのかい? まさかな! そういうところがちょっと問題になってくる。でも、自分がその手の歌詞じゃなくて現実の経験を曲にするなんて思ってもいなかった。病気になるまではね。」
こうした心のこもった歌詞を歌うくらいだから、WILKOのR&Bサウンドも以前よりソフトになっているのではないか......そう予想していた人は驚くことになるだろう。むしろ、本人が「ザ・チョップ」と呼ぶあのギターは以前にも増して攻撃的だ。このアルバムには内省的な曲も収められているが、その一方でアルバム・タイトル曲や"BEAUTY"、"I LOVE THE WAY YOU DO"といった曲は古き良き陽気なパーティ風の雰囲気になっている。そこにはDR. FEELGOOD時代と同じく聴く者を駆り立てるような迫力が満ちあふれている。
さまざまな試練を乗り越えてWILKOは再びスタジオに入り、アルバムを作り上げた。本人は、このアルバムに収められた12の曲について次のように語っている。「こういう歌を録音するつもりは実のところなかったし、自分がスタジオにまた入ることがあるのかどうかさえわからなかった。曲のひとつは、あの時期を振り返ったものになっている。夜、家の中で座り込んで、死が迫ってきていることを感じている......という内容でね。その曲も録音したし、アルバムに入る予定。実はかなり元気のいい曲でもあるんだ!」
プロデューサーのDAVE ERINGAは、簡潔にこうまとめている。「『GOING BACK HOME』のあと、WILKO JOHNSONのアルバムをもう1枚作ることになるなんて予想もしていなかった。でもWILKOの30年ぶりの新曲を録音できるなんて本当に嬉しいことだったし、本当に特別な仕事だったよ! 彼は音楽界を代表する本物の紳士のひとりだ ―― 教養も知性もあるし、考えもはっきりしている。それでいて、めちゃくちゃロックンロールしているんだ!」
デジ・スリーヴ装。
WILKO JOHNSON / ウィルコ・ジョンソン