予約♪ 『From Brussels With Love(ブリュッセルより愛をこめて)』などLes Disques Du Crepusculeの名作コンピレーションに収録された作品で知られるThe French ImpressionistsのメインコンポーザーMalcolm Fisherが贈る季節をテーマにしたアルバムシリーズ第一弾

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2020.09.11

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現在イタリア・ミラノ在住のMalcolm Fisherは2007年以降、The French Impressionists名義で2枚のアルバムをイギリスのLTM から発表していますが、グループ名義での活動の一方で、ピアノ演奏をメインとしたソロアルバムを自主製作でリリースし続けています。2018年には”Dress”、”Seeds”などのソロアルバムが国内で初めて紹介されて、過去からのファンだけでなく、Robert HaighやAndrew Chalkなどexperimental musicファンの間でも好評を博しました。

今回、同時発売となる3枚のアルバムはMalcolm Fisherがライフワークとして手掛けている季節をテーマにしたアルバムシリーズの第一弾となります。”Balm 1”と”Balm 2”はジャケットのイラストが示すように、海辺で過ごした幼少期の夏の思い出と大人になってからの経験を音楽に昇華させたものです。”Balm 1”は浜辺に打ちよせる波の音、”Balm 2”はスティールパンの演奏でアルバムの幕が開け、浜辺で遊ぶ子供たち、海を通過するボート、寄せては引く波、浜辺を舞うカモメ、そんな情景が思い浮かぶノスタルジックなピアノ演奏を主体とした小作品が夏の絵日記のように続きます。時にフルートやシンセサイザーによるアレンジが色取りを添えて、テンポを変えながら同一モチーフのバリエーションが展開されていく様は、波打ち際のポートレートと呼ぶに相応しいクオリティーです。抒情的なメロディーに溺れたりアトーナルな即興演奏に興じたりすることもなく、どこまでもプライベートな感触をもって穏やかに展開していく作りにMalcolm Fisherのセンスの良さを堪能できます。

“Bee”は”Balm”と異なり、夏の風景でも田園地方の虫やタイトルが示すミツバチをテーマとしています。真夏の田園地方の青空、草木の香り、虫の鳴き声などを楽曲に置き換えた小作品を集めたアルバムで、ミツバチと虫たちに捧げる作品であると同時に、近年の気候変動および絶滅の危機に瀕している生物に関するMalcolm Fisherの音楽によるステイトメントでもあります。”Balm”で聴かれる郷愁を誘うリリカルな曲も収録されていますが、虫の動きや鳴き声を演奏に置き換えた直接的なアプローチによる曲や荘重な曲も収録されており、”Balm”以上にバリエーションに富んだアルバムに仕上がっています。

今回発売となる3枚のアルバムは、全てDavid Jackman (Organum)のレコーディングスタジオとして知られるロンドンのRMS Studiosでマスタリングが行われました。どのアルバムもCDの収録時間の限界である80分の長さとなっていますが、聴き続けても疲れない耳に優しいマスタリングが施されています。

非常に個人的な作品であり、作曲者・演奏者であるMalcolm Fisherの人柄がストレートに表れたアルバムです。音楽の本質を追い求めているリスナー、ジャンルに関係なく本当に良い音楽に出会いたいと思っているリスナー、長い間付き合っていける音楽に会いたいと思っているリスナー、そして音楽を聴くことに少々疲れているリスナーに自信を持ってお薦めできる作品です。

(Siren Records / Daisuke Suzuki)
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