入荷♪ メルツバウの未発表/発掘音源を収めたアーカイブ・シリーズ第8弾、『Wa』『Mighty Ace』『Tenshinkaku』『Tentacle (1st Mix)』『Process 9611』『Necro 2000』の 6 作品をまとめたボックスが登場

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2020.11.20

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2018 年よりスタートしたメルツバウの未発表/発掘音源を収めたアーカイブ・シリーズ、その 8 つ目のシリーズはメルツバウがアナログ機材による創作を止めコンピューターでの制作に踏み出した 1999 年の録音を収めた『Wa』『Mighty Ace』『Tenshinkaku』『Tentacle (1st Mix)』『Process 9611』『Necro 2000』の 6 作であった。
そしてそれらをまとめたボックス作品がこの〈Laptop Noise〉である。

メルツバウの創作の流れにおいて以降しばらくはコンピューターをメインとした作風が継続するため、この時期の録音はその作風におけるごく初期のものと位置付けることができるだろう。
収録内容は 99 年に録音が行われた既発作『Collapse 12 Floors』(Ohm, 2000)、『Tentacle』( アルケミー , 1999)、『Early Computer Works』(2005年に Waystyx からリリースされた『Scene』のスペシャル・エディション付属のボーナス CD) などに関連するロングミックスや未発表音源が中心となっている。

メルツバウの創作には楽器以外の様々な物からサウンドを見出しテープ・コラージュによって作品へと纏め上げていた 80 年代、そこからライブ演奏の活発化によって可搬性とリアルタイムの運用性を重視したシステムで大音量のノイズ演奏へと移行し更にシンセサイザーの導入にも至った 90 年代といった変化があったが、ゼロ年代を目前にしてのラップトップのみでの演奏/創作へという変化はこれまで用いていた機材を部分的に引き継ぐといった面がなく、その作風の変遷においても非常に極端な振れ幅を感じさせる。

もちろん PC 内での演奏システムの構築、サウンドの加工においてはシンセサイザーの演奏経験が役に立った部分は大いにあるだろうが、この思い切った制作環境の変更には当時まだラップトップでの演奏は(特に大音量のノイジーな演奏を行うアーティストにおいては)未開拓なものであったという状況が背景としてあり、これまでの蓄積を活用したアップデート的思考よりは先行する例が少ない中での試行錯誤をこそ求めての判断であったと思われる。

本シリーズの 6 作の中でも音の反復を多用しながら様々に展開していく DJ ミックスのような印象を残すものや濁流の如きノイズに空間が埋め尽くされるものなど作風は様々で、またフィルターの多用によって極端にくぐもったサウンドが表れたり全ての音がカットされ無音となる瞬間が訪れるなど、これまでのメルツバウ作品であまりなかった音の扱いも聴き取れ、この時期ならではのプリミティブな振れ幅を味わえる内容となっている。
・6 枚組 CD BOX SET

〈6CD リスト〉
CD1. Wa
CD2. Mighty Ace
CD3. Tenshinkaku
CD4. Tentacle(1st Mix)
CD5. Process 9611
CD6. Necro 2000

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