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※デジパック
サンパウロ出身、アメリカ(ボストン→NY→現在:ロサンジェルス在住)を拠点に活躍する歌姫ルシアーナ・ソウザの約3年振りとなる作品。
今回も、公私とものパートナーである、ラリー・クラインがプロデュース! ご存知の通り、彼女は音楽の原点をブラジルとしつつ、NYのムーヴメントにもしっかり根ざし、数々のインスト・バンドにも招かれ、ゲスト参加。ボサや、MPBといったブラジル音楽と、ヴォイスの可能性を見せてくれていますが、本作では、さらに世界観が広がった作品になりました。路線としてはシロ・バティスタらが参加した2009年の『Tide』のPOP路線の延長線上。しかし、サウンドはグッとコンテンポラリーに、音楽的な地平を広げてきました。メンバーには、異なった言語をもつ5つの国の出身者が参加。西アフリカ、ペナン出身のリオーネル・ルエケ、スイス生まれ-パット・メセニー・グループへの参加で一躍その名を知らしめた現代を代表するハーモニカ奏者、グレゴア・マレ、スウェーデン出身、リオーネル・ルエケのグループなどで参加するベーシスト、マッシモ・ビオルカティ、そして、ドラムにはケンドリック・スコットと、世界最高レベルの精鋭集団も、初顔合わせながらに、クライン総帥のもと才能を発揮します。ブラジルで育った時代、鬼才エルメート ・ パスコアールの薫陶を受けたというルシアーナのルーツも大いに納得。ユーモア・センスにも溢れたオープニングから、アート・リンゼイを彷彿とさせたひずんだギター、遊び心もたっぷりのマレのハーモニカ、意外にもアイアート・モレイラ辺りを彷彿とさせるケンドリックのパーカッションと、そのサウンドはまるでおもちゃ箱をひっくり返したような面白さ。続くゲイリー・ヴェルサーチの作曲による楽曲は、MPB的であり、トニーニョ・オルタ辺りを彷彿とさせるルエケのヴォイスとアコースティック・ギターの弦の響きが美しく、いつもの路線ですが、今回の作品に通低するのは、やはり、世界の音。プリミティヴなリズムと、エレクトロなサウンドが交錯するM3には、アフリカ的なものが。M5には、インド的なヴォイス・パフォーマンスあり・・。そのサウンド、世界を旅してめくるめく音楽の世界を展開していったジョー・ザヴィヌルの偉業さえも感じさせるものもあります。レオナード・コーエンの詩をフィーチャーした2曲を除いて、今回は基本、言葉でなく、ヴォイスのパフォーマンス。自在に飛びまわるスキャットも圧巻な域になってきました。ラリー・クラインの手腕もあって、新たなるステージを開拓したと見える新作。MPBギタリストとのデュオ集でシンプルに、インティメイトに音楽を奏でてもいるだけに、その幅の広さにも目を見張る所。今後の展開も、より一層楽しみになる完成度の高い一作です。
■Luciana Souza(voice), Lionel Loueke(g, voice), Gregoire Maret(haca), Massimo Biolcati(b), Kendrick Scott(ds, perc)
■Recorded on March 23.24.25, 2015 at Henson Recording Studios, in Loas Angeles, CA
LUCIANA SOUZA / ルシアーナ・ソウザ
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Speaking In Tongues
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