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■アナログ・リリース■
シャンガーンとは南アフリカの突然変異的ダンス・ミュージック。南アフリカの伝統音楽"ズールー"や西洋伝来のゴスペル的ヴォーカルを基盤に、マリンバやオルガンのチープな音と打ち込みがアクセント。そしてベースレスで演奏される独特の軽妙なアップテンポ・サウンドは、かなり刺激的。シャンガーン・シーンをはじめて広く紹介したコンピレーションとして、2010年にUKの辺境マニアックス名門レーベル、オネスト・ジョンズからリリースされた「SHANGAAN ELECTRO」で、その魅力に触れることとなったリスナーも少なくない。そんなシーンの単体アルバムとして要注目の逸品が、今回リイシューされたこの1枚。Foster Manganyiによる「Ndzi Teke Riendzo」。2008年に、南アフリカにてカセット・テープのみで発売されたにも関わらず、記録的大ヒットしたアルバムである。
のっけからハッとさせられる。やる気なさそう(?)な男性ヴォーカルに絡みつく女性ヴォーカルのコール&レスポンス。ゴスペル伝来の要素が残りながらも、まるで同じ音楽とは思えない強烈な個性。これぞシャンガーンの醍醐味ともいえる冒頭曲だ。M2では更に驚かされる。リコーダーとチープな打ち込みがリフレインする中を、またもゴスペル的ヴォーカルが淡々進んでいく。西洋的価値観からは理解不能な、ある種のストイシズムとはこのことか。更に中盤以降から顕著になる本作の高度な音楽性も特筆。先述のコンピ「SHANGAAN ELECTRO」では、あまり感じられなかったヴァラエティに富んだテクノ処理やギター・サウンドの導入で、不思議とアフリカ特有の音階・和音感覚のネイキッドな美しさがよりクローズ・アップされてくるから面白い。それでいてシャンガーンの命ともいえる「脱力主義」が根本で主張してくる、メルトダン必至の驚くべき聴き心地。
音楽性の豊かさと圧倒的なオリジナリティが両立している奇跡のサウンド「シャンガーン」。まだまだ歴史は浅いが、その存在を更に一歩前進させたエポック・メイキングな作品。辺境ビート・ファンはもちろん、好奇心旺盛なリスナーの心ほど、間違いなく揺さぶられそうだ。
FOSTER MANGANYI