DJ daddykayのKeep On Spinnin' VOL.22 『WILL DOWNING / SOUL SURVIVOR』

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2017.09.26

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WILL DOWNING / ウィル・ダウニング / SOUL SURVIVOR

ちょうど一年前もこの人のニュー・アルバムを紹介しました。
前作はオール・カヴァー集だったので、オリジナル曲が聴ける今作はファンには嬉しいリリースです。
近年は結構短か目なスパン、特にここ数年は毎年アルバムをリリースしているウィル・ダウニング。

来年はアルバム・デビュー30周年を控えた大御所の通算20枚目の『Soul Survivor』を紹介します。
前回同様シャナキーからのリリースという事で、聴く前からそのクオリティが半分くらい約束されてるなぁ、と感じるのは全くの私的考え。

イントロ、インタールード的な一曲を含む全10曲と少なめな収録曲数が唯一の不満ではありますが、珠玉の作品群、紹介していきましょう。


TK-1「Soul Survivor Theme」は生音のライヴ感が気持いい、イントロ的な短いナンバー。
まさに実際のステージを連想させるような、バァーンと幕が開き、あとは主役のウィルを待つだけといったイメージが伝わってきます。冒頭、男女のトークが有り、そのクレジットにはアリソン・ウイリアムスの名も!


実質的な一曲目のTK-2「I Just Want To Say Thank You」bpm114はアルバム唯一のアップ・ナンバー。
コレがいい。生音仕立ての四つ打ちチューンで気持ちよく踊れること間違い無しの爽快な一曲。
バック・ヴォーカルにはあのD・トレインがサラッと参加しているというのもヴェテランの人脈の広さを感じさせます。
余談ですが、先日自分がプレイしている某店で早速流したところ、その足をストップする事無く皆さんが楽しそうに踊ってる光景が印象的でした。


TK-3「I'm Feeling The Love」bpm98は先行曲となった心地良いミッド・ダンサー。
ここでデュエットのお相手を務めるのはレーベル・メイトでもあるエイヴリー・サンシャイン。
その存在感はハンパじゃありません。ウィルが標榜する、まさにソフィスティケイトされたナンバー。矢張り個人的ハイライト曲かなぁ。


TK-4「Since You Been Gone」は三連のリズムが優しく響く、懐かしい気持ちにさせてくれる最もオールド・スクール・ソウルの薫りが漂う和み曲。


TK-5「Stop To Start」bpm63はサビの展開が80'sブラコン風味な、決して悲しい気持ちにはならずに聴けるバラードです。
中盤で挿入されるオーボエ奏者ニック・ガットの奏でるメロディもグッときます。
ここでのお相手は、こちらももう旧知の仲、フィル・ペリー。フィルの終盤での感極まってシャウト気味に歌うところはアレサ・フランクリンのカヴァーを歌った彼の最大のヒット曲、「Call Me」を思い出しちゃいました。


TK-6「Everything I Want In My Lady」bpm89のお相手もレーベル・メイト、こちらももうお馴染みのヒトといった感のメイザが務めてます。軽く流してる感じですが光ってます。その歌声。
そしてスムース・ジャズな雰囲気を醸し出してるギターを披露しているのがこのアルバムのキーマンとも言えるのがランディ・ボウランド。
アルバム収録曲中5曲にコンポーザーとしてもクレジットされてるマルチ・プレイヤーです。
80年代後期に2枚のアルバムを残したミッション(Mission)というグループのメンバーでもあった当時からその才能を遺憾なく発揮していました。


TK-7「Our Time」bpm75はそのランディが奏でるギターとマイケル・ローガンのピアノがキモとなる、ホッコリとしたミッド・スロウ曲。


TK-8「Hurry Up This Way Again」bpm75はもちろんあの曲。矢張りカヴァー曲、一曲は入れてきましたねー。
オリジナルは1980年フィリー録音のスタイリスティックスから。
そして初っ端のフルートとサックスで盛り上げるのはこの人、ナジーです。
もともとアーバンで洗練されたナンバーがナジーのブロウでさらにオシャレな曲に。
ナジーもニュー・アルバムをリリースしたばかりのレーベル・メイト。レーベル内でこれだけ役者が揃うシャナキーは改めて凄いなあって思います。


TK-9「When We Make Love」bpm67はほぼ全曲でバック・ヴォーカルで参加している奥方の、元アンリミテッド・タッチのオードリー・ウィーラーが一番前面に出た甘~いスロウ曲。
まあ、このタイトルからして当たり前ですよね。
ここでのイントロのギターのメロディ・ラインと後半で聴けるモロにアーニー・アイズレー張りのギターは「Summer Breeze」を完全に意識してますね。ランディのセンス、最高です。


TK-10「Tell Me About It」bpm65はスパニッシュ風味が効いたギターが印象的な哀愁感漂うナンバー。
このペースだとまた来年には新作を届けてくれそうですね。
勝手な希望としては、ケニー・ラティモアとシャンテ・ムーアのように(離婚してしまいましたが...)オードリー・ウィーラーと夫婦名義のデュエット・アルバム、出して欲しいですねー。
彼女、実力のある人なんだから。



■DJ daddykayのKeep On Spinnin' 過去の記事一覧はこちら


DJ daddykay

Soul、R&B、Hip Hopの魅力にどっぷりとハマって以来約三十数年黒音を聴き、届けてきたヴェテランDJ。
そのDJスタイルはMaster Mixを基本としたオールドスクールライクなPLAYながらも、新譜の動向やトレンドのFLAVORにも敏感で、音楽への愛情とGROOVE感に満ちたPLAYにはファンも多い。

西麻布CHIC、横浜麦田Sugar Shack、西麻布SSB、調布Cobra Freak、千駄木GROOVE、横浜LUTHER、新宿NEO Masquerade、亀戸Charlie等
数 多くのSOUL BAR、CLUBでPLAYの経験を持ち、The Beats, Mo' Better Groove, New Jack Revengers, Buddy等のイヴェントでも活躍。MIX CDでも全国的に多くのファンを持つ、生粋のBLACK MUSIC LOVERである。