The Conscious of R&B Vol.1 『Jhené Aiko』

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2021.01.22

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今回紹介するのは、最新アルバム『Chilombo』が全米R&Bアルバムチャートで1位に君臨し、2021年のグラミー賞・アルバムオブザイヤーにノミネートされている『Jhené Aiko(ジェネイ・アイコ)』です。まずは2020年の名盤『Chilombo』制作に至るまでの Jhené の人生を駆け足で紹介していきます。



Jhené はLA生まれの魚座で、アメリカ・スペイン・ドミニカ・日本の血を継ぐR&Bアーティスト。歌手として活躍する姉(Mila JとMiyoko Chilombo)を持つ五人兄弟の末っ子。音楽一家に生まれた Jhené は12歳という若さでレコード会社と契約、R&Bグループ「B2K」との制作をスタートさせます。

その後ソロデビューも決まっていましたが、学業に集中するため音楽活動を休止。そして20歳になった Jhené は娘 Namiko を妊娠。それを機に新たな決心と共に音楽シーンに舞い戻りました。

2011年にミックステープ『Sailing Soul(s)』で復活・デビュー。Kanye West, Miguel, Drake, Kendrick Lamarなど蒼々たる面子をフィーチャリングに迎え、話題になりました。

その翌年、Jhené に悲報が訪れます。兄弟の中でも最も仲が良かった兄 Miyagi を病気で失くしてしまうのです。Jhené は鬱に悩まされ、逃げるように薬物に頼るようになりました。死というものに向き合っていく中で、Jhené はやがて瞑想やスピリチュアリティに没頭するようになります。

なかなか壮絶な人生を送ってきた Jhené は自分自身を癒すために音楽を作ってきましたが、『Chilombo』では音楽に対する意識に大きな変化がありました。

「いろいろな人が私のところに来て、私の音楽が彼らの人生を助けていることを伝えてくれたの。Chilomboではそれを本当に意識するようにしたわ。」音楽を通して自分だけでなく、他の人を助けることがアーティストとしての使命であることを自覚したとも話しています。

Jhené はサウンドヒーリングを学んでいて、シンギングボウルという楽器を実生活や音楽に取り入れています。つい最近もシンギングボウルを使ったホームセッション動画がアップされていましたね。Chilomboに収録されている全曲に、それぞれ違うシンギングボウルの音色をレコーディングしたとか。

それぞれのキーがもたらすヒーリングの効果を理解した上で制作していたそうです。




肝心の歌い手としての魅力といえば、歌声そのものですよね。癒し成分が入っているんじゃないかと思うほど、心にすっと入ってくる歌声で一節聴くだけで Jhené だとわかります。

独特な「揺らぎ」があって、それが気持ちいい。アコースティック楽器やパーカッションの音色との相性が抜群で、リリックも相まって神秘的な雰囲気を醸し出します。今回歌詞には触れませんが、かなり大胆でセクシュアルな内容も多いですね。

このアルバムはキャスティングがとにかく豪華。
Big Sean や H.E.R.、Nas、John Legend、Ty Dolla $ignなどもフャーチャリング参加しています。

個人的には Nasとの「10k Hours」と John Legendとの「Lightning & Thunder 」の歌詞にうっとりしてしまいました。
もちろん H.E.R.との「B.S.」、後にリリースされたデラックスエディションに収録されている Kehlani Remix も痺れました。

デラックスエディションですが、
3枚組のアナログが2月上旬から発売されるそう。



『Chilombo』というアルバムタイトルは Jhené のファミリーネームで、父が20代の頃、自身の名前を変えた時に名付けたそう。
「Wild Beast(野獣)」という意味があり、パワフルな女性が多い Chilombo 家にはまさに野獣の血が通っているのかも。そんな女性としても自信に満ち溢れる Jhené からもう目が離せません。

2020年は世界中が立ち止まり、今までに経験したことのない一年になりました。ステイホームやソーシャルディスタンスといった言葉が生まれ、外に向かっていたエネルギーはもれなく内に向かうようになりました。そんな今だからこそ、Jhené の音楽は沢山の人の心を支え、癒しているのだと思います。

 2021/1/29


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