高木壮太のソウルブルース相談室

高木 壮太

ミュージシャン・戯作者
1990年代よりスタジオミュージシャン、CM音楽作家として活動。著作に『プロ無職入門』(P-Vine Books)、『荒唐無稽 音楽事典』(焚書舎)など。映像作品に『RAWLIFEとその時代』など。

現在はちいさなファンクバンドCAT BOYSの鍵盤奏者として、また井の頭レンジャーズのプロデューサーとして活動中。
https://twitter.com/TakagiSota

高木壮太のソウルブルース相談室 VOL.12 『モータウンサウンドの特徴を教えてください』

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  • 2016.12.28

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    A.わたしは子供の頃「田村モータウン」だと思っていて「日本人もアメリカ音楽界でがんばっとるわい」と勘違いしていました…

    それはさておき、ひとことでモータウンといってもバレット・ストロングからエリカ・バドゥまで千差万別ですが、1960年代 中期の黄金期に絞りますと、ご存知ファンクブラザースですね。
    かならずタムのフィルインから入ります。あれはカウントの声を消すために後からダビングしていたという説がありますがどうでしょうか。
    8トラック中ひとつはタンバリンに割り当てられます。ホーン セクションやストリングと同比重の扱いだったわけで、スネアにかぶさるタンバリン、これが抜けの良いリズムのレシピだったのですね。

    リズムといえば俗に言う「モータウンビート」”どっどっどーどっどっどどー”『恋はあせらず』に使われているパタンですが、じつはこのパタンの曲あまりありません。
    それより『アップタイト』『ディス・オールド・ハート・オブ・マイン』『セイム・オール ドソング』に使われている頭打ちのファンクビート。こちらのほうがモータウンらしいと思うのですがね。

    ジェームス・ジェマーソンのベースも重要でJJは3連が特徴ですが一本指と死んだ弦使用で音色フレーズとも案外地味です。「すげえベースライン」と思ったものはだいたいキャロル・ケイ女史のピックプレイでLA録音です。

    モータウン=デトロイトですが60年代中期以降はLA録音のほうが多いですしシカゴのチェスで録音したものも『レスキュー・ミー』など多いです。鉄琴の多用、下品なバリトンサックス、手拍子 足拍子なども特徴ですが、これらはすべて小さなラジオやカーラジオでどう聴こえるかから逆算して設計されたサウンドです。なにもかもハイファイ志向になってしまった現代では用いられない方法論ですね。

    これぞモータウンサウンドと言える一曲をどうぞ。歌唱力 も美貌もダイアナ・ロスの数段上、真のモータウンスター、マーサ&ザ・バンデラス”ノーウェア・トゥ・ラン”です



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