高木壮太のソウルブルース相談室

高木 壮太

ミュージシャン・戯作者
1990年代よりスタジオミュージシャン、CM音楽作家として活動。著作に『プロ無職入門』(P-Vine Books)、『荒唐無稽 音楽事典』(焚書舎)など。映像作品に『RAWLIFEとその時代』など。

現在はちいさなファンクバンドCAT BOYSの鍵盤奏者として、また井の頭レンジャーズのプロデューサーとして活動中。
https://twitter.com/TakagiSota

高木壮太のソウルブルース相談室 VOL.21 『Q.ソウル的にビートルズはどうですか?』

  • SOUL/BLUES/GOSPEL
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  • 2017.11.02

    2017.11.02

    A.ビートルズは初期に黒人歌手作品のカバーを大量にしていますが、基本的にそのサウンドはシロくて、わずかに『Yer Blues』『I Want You』あたりのジョン・レノン作品にブルースの影響を認めるのみというのが定評ですが、さてどうでしょうか、年代順にクロいビーを探ってみましょう。


    ビートルズの地味曲に常にランキングされる『All I've Got Do』なんて、まんま初期ミラクルズで実にクロいですね、『You Can't Do That』もR&R曲ですが、ウィルソン・ピケットに唄わせたらハマりそうな不良っぽいドス黒さがあります。これまた不人気曲ポールの『What You're Doing』はドゥーワップの有名曲ザ・ゾディアックスの『STAY』をソウル風味に換骨奪胎した傑作だと思いますよ。wikipediaの当曲項目を書いたのは私です。


    『Drive My Car』『The Word』『Taxman』など中期はスタックスふうファンクサウンドに挑戦した曲がけっこうあります。アンソロジー収録の未発表曲『12 Bar Original』なんてまったくMG'sの『Green Onions』そのものですね、『リボルバー』をスタックスで録音するなんて計画もありました。


    『Baby You're Ritchman』はサイケの極致のような曲ですが、根幹はシンプルなファンクビートで、ジャクソン5なんかが演ればバッチリな華やかさがありますね、『Rocky Racoon』『Sexy Sadie』『Sun King』はスライ・ストーンにやって欲しいドロっとした質感があります。そして『She Came in through the Bathroom Window』これは完全なソウルナンバーですね。案の定Ike&Tinaが演ってます。


    ビートルズはソウルから受けた影響より与えた影響のほうが多いんじゃないでしょうか?ソウル歌手は言うに及ばず、ジャズファンクなんかでカバーされる無茶なビートルズカバーは枚挙に暇がありません。中でもこれは珍品、ラムゼイ・ルイスの全曲ホワイトアルバムカバー"Mother Nature's Son"から『Cry Baby Cry』をどうぞ。

    ◆Ramsey Lewis "Cry Baby Cry"
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      高木壮太のソウルブルース相談室 VOL.22 『Q.ソウルブルース映画でお奨めはありますか?』

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