DJ daddykayのKeep On Spinnin' VOL.8 『KEITH JOHNSON / A DREAM COME TRUE』

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2016.04.08

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Artist: KEITH JOHNSON
Title: A DREAM COME TRUE

元フェイヴァー(Favor)というゴスペル・デュオ出身、キース・ジョンソンのニュー・アルバム『A Dream Come True』をご紹介します。


現在37歳のキースは幼少の頃からドップリとゴスペルに親しみ、22歳頃に教会でフレデリック・リードなる男と出会い、そこで結成したのがフェイヴァーです。 余談ですが命名したのはキースの奥さんだそう。そんなフェイヴァー、アルバムを2枚残しています。2007年リリースのセカンド・アルバム『Your Love』は現在も配信されているので興味のある黒音フリークはチェックしてみてください。

その後2010年にはソロで『Crossroad』というアルバムを発表しています。 こちらはフィジカル盤も流通している、アーバン・ゴスペル作品。そして5年の月日を経て2015年には自身のレーベルF.O.T.L.(Favor Of The Load)から3曲のシングル「Hurt You Again」、「Late Night Call」、「I Choose You」を発表。その中の一曲のリミックス作品が今回ご紹介のアルバムに収められたTK-9.「Hurt You Again (Wadz Remix)」です。bpmは76。MVが同じというのはまぁご愛嬌として、いささかチープな打ち込みながら、うわモノのシンセのゴージャス感、レイドバック感にはトバされます。

ここで登場するワッズ(Wadz)なる人物がこのアルバムのキーマンであるといってもいいでしょう。このワッズ、フランスで2015年に興されたFonkfatherz Recordsというインディペンデント・レーベルの主宰者で、G-Funk風味な味付けの巧みなネタ使いのリミックスを得意とする鬼才です。過去の90年代のUS産R&B作品でも数多くの仕事を残していて、個人的にはこの人のクレジットは裏切らないという信頼がすり込まれています。 昔のテディ・ライリーのクレジットを見た時のワクワク感と似てるかも。

そして、今回のこのアルバムのリリース元が、こちらもフランスのDiggy Down Recordzから。フランスのレーベルながらUS出身の、渋いシンガー、イーノィス・スクロッギンス(参考曲)「Anything」やこちらもFrom US、B・トンプソン(参考曲)「Weekend」等が所属する新興レーベルです。

さて、本題に戻りTK-1.からワッズ制作の「You Should Be」(bpm91)からスタート。そう、この気だるさに懐かし感を加えた、それでいて洗練されたトラックがワッズの持ち味です。先日この曲を、とあるバーでプレイしたところ、お客様から良いですネ~と反響がありました。TK-3.「She's A Gold Digger」 もワッズ印全開のメロウ・スムース・チューン。こんな曲でまったりと踊ってるフロアを見ると幸せな気分になります。

TK-5.「No Need To Go」(bpm90)は80's後期のシェレールっぽいネタ使いがキマった、深夜に聴きたいナンバー。TK-10.「A Walk In The Park」(bpm92)はジャック・ムーヴスやメイヤー・ホーソーン最新作にも通ずる70'sソウルな味付けが施され、どことなく切ないメロディが胸を締め付けるグルーヴィー・メロウ作品。

TK-13.「Miss Independent」(bpm109)はこのアルバムの中で一番万人に受け入れられそうなキャッチー・チューン。ほとんどの曲でヴォーカル・ミックスを務めるのはディージェイ・ネス・Dなるこのレーベルのディレクターでもあるレーベルの中心人物。駄作がゼロとは言いませんが、ワッズ曲以外のナンバーもなかなかの高水準です。ワッズ曲中心の紹介になっちゃいましたがそれ狙いでこのアルバムを求めても損は無いと思います。

Diggy Down Recordz、そしてFonkfatherz Recordsはこれからも要注目なフランスのレーベルです。


■DJ daddykayのKeep On Spinnin' 過去の記事一覧はこちら









■NEWS!
2016年4月17日 林剛・荘治虫著『新・R&B教室 - マイケル・ジャクソンでつながるソウル/ブギー・ディスク・ガイド1995-2016』刊行記念リリース・パーティ開催が決定! 著者とも縁の深いDJのdaddykay氏もゲストDJとして参戦!


DJ daddykay

Soul、R&B、Hip Hopの魅力にどっぷりとハマって以来約三十数年黒音を聴き、届けてきたヴェテランDJ。
そのDJスタイルはMaster Mixを基本としたオールドスクールライクなPLAYながらも、新譜の動向やトレンドのFLAVORにも敏感で、音楽への愛情とGROOVE感に満ちたPLAYにはファンも多い。

西麻布CHIC、横浜麦田Sugar Shack、西麻布SSB、調布Cobra Freak、千駄木GROOVE、横浜LUTHER、新宿NEO Masquerade、亀戸Charlie等
数多くのSOUL BAR、CLUBでPLAYの経験を持ち、The Beats, Mo' Better Groove, New Jack Revengers, Buddy等のイヴェントでも活躍。MIX CDでも全国的に多くのファンを持つ、生粋のBLACK MUSIC LOVERである。


●DJ daddykay マンスリースケジュール

第一土曜日 横浜 LUTHER
第二木曜日 新宿 カブキラウンジ (the beats annex)
第二土曜日 亀戸 Charlie
第三金曜日 新宿 NEO Masquerade (Mo' Better Beats)
第三土曜日 千駄木 GROOVE
第四金曜日 喜多見 Mirror Ball
第四土曜日 亀戸 Charlie