DJ daddykayのKeep On Spinnin' VOL.21 『SHAILA PROSPERE / BACK TO LIFE』

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2017.08.01

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SHAILA PROSPERE / BACK TO LIFE


当時好きだった「Reoccurring Dream」をよくPlayしてたのは約17年前。

今年の春頃「Let Me Be Yours」がリリースされたのは、え?まだ活動してたの?という驚きと嬉しさの入り混じるニュースでした。

復活!的な感じでシングル1~2曲を出して終わってしまうアーティストが多い中、彼女、シャイラ・プロスピアの17年振りにしてセカンド・フル・アルバム『Back To Life』がリリースされました。

イマドキのR&Bとは一線を画した、2000年前後のUKサウンドを踏襲した全体の音作りは非常に心地良く響いてきます。そんなアルバム、曲の方を聴いていきましょう。

TK-1「Let Me Be Yours」bpm102は先行カット曲。 べバリー・ブラウンやセレーシャを思わせる、まさに十数年前のUKの音。R&Bメインのイベント等でも人気が出そうです。

TK-2「Break The Chain」bpm92は派手に鳴り響くオケのループが気持いいミッド・チューン。

TK-3「Family」bpm96は配信でのセカンド・カット曲。 これもいいですねー。
何にも考えず、すうーっと耳に入ってくるキャッチーなサウンドは聴く者を選ばない、UK独特の普遍の良さがあります。

TK-4「Back To Life」bpm74は70's Soulへのオマージュ的な曲。
イントロを聴いてマクファデン&ホワイトヘッド「I've Been Pushed Aside」とジョーンズ・ガールズ「Who Can I Run To」を思い起こさせるミッド・スロウ曲の出来が悪いはずも無く、個人的にもお気に入りのナンバー。

TK-5「Thinking Of You」bpm79はもちろんあの曲のカヴァー。
オリジナルは'79年シスター・スレッジの、イントロでのナイル・ロジャースのカッティング・ギターが印象的な大クラシック曲「Thinking Of You」しかし、ここまでしっとり、まったり聴かせるアレンジは過去のこの曲のカヴァーでもなかったんじゃ? この曲もハマっちゃいました。

TK-6「Love Like This」bpm94はストリングス・シンセの哀愁がかったメロディーがグッと聴く耳を引き込ませてくれる小品。

TK-7「No Better Love」bpm98はイントロの後に来るサビのメロディーがいいですね~。
こちらも多くの人に愛されそうなポップ作です。 自分としてはBarやClub Eventでの終わり前とかの時間に積極的にPlayしていきたいです。

TK-8「Beautiful」bpm70は決して力強いとは言えない彼女のヴォーカルが生きたスロウ・チューン。

TK-9「Don't Ask Me To Say」bpm63は何となく中途半端に明るく、このアルバムの全体のコンセプトからはちょっと外れてる感じが否めないナンバー。

TK-10「Gimme That Love」bpm72は哀しげな雰囲気でじっくり聴かせる曲。

TK-11「Slow Down」bpm92は派手さは無いもののカチッとした、爆音で聴いたら鳴りの良さそうなビートはDJとしてはプレイリストに加えたくなるナンバー。こんな曲でゆったりと踊ってほしいです。

TK-12「That Place」bpm60はビートをカットしたシンセのみのオケで歌いあげる、ラストに相応しいアウトロ的なスロウ曲。

そして、ここからの3曲はソウル・シンジケートの手による、収録曲のリミックス作品。

TK-13「Let Me Be Yours (Soul Syndicate Mix)」bpm105はTK-1よりテンポも少し速くなり、ビートもシェリル・リン「Encore」を意識した、より踊れるナンバーに生まれ変わってます。

TK-14「Family (Soul Syndicate Mix)」bpm100はTK-3をまろやかにしつつ、ビートは強調されてるナイス・スムース・チューン。

TK-15「That Place (Soul Syndicate Mix)」bpm120は、ベースやキックが骨太なものになればもっとよかったのに。
他のアレンジはカッコイイんだから。でも、TK-12で物足りなかった方はとりあえずこちらをどうぞ。

アルバム全体的にポップな要素も随所に盛り込まれていて、一枚通して聴いてもストレスの無いバランスの良い聴き易いアルバムだと思います。



■DJ daddykayのKeep On Spinnin' 過去の記事一覧はこちら


DJ daddykay

Soul、R&B、Hip Hopの魅力にどっぷりとハマって以来約三十数年黒音を聴き、届けてきたヴェテランDJ。
そのDJスタイルはMaster Mixを基本としたオールドスクールライクなPLAYながらも、新譜の動向やトレンドのFLAVORにも敏感で、音楽への愛情とGROOVE感に満ちたPLAYにはファンも多い。

西麻布CHIC、横浜麦田Sugar Shack、西麻布SSB、調布Cobra Freak、千駄木GROOVE、横浜LUTHER、新宿NEO Masquerade、亀戸Charlie等
数 多くのSOUL BAR、CLUBでPLAYの経験を持ち、The Beats, Mo' Better Groove, New Jack Revengers, Buddy等のイヴェントでも活躍。MIX CDでも全国的に多くのファンを持つ、生粋のBLACK MUSIC LOVERである。