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THIRD WORLDやBYGなどからリリースされた作品で知られるマルチ奏者、クリフォード・ソーントンの1970年11月7日録音のライヴ。当時は「アメリカ」レーベルより米国旗などをコラージュしたジャケットにて発表された作品の復刻CD。
1969年以降パリに在住し、1971年2月に彼がブラック・パンサーのメンバーであるという疑惑の元にフランス警察より国外追放に遭うまでの僅か1年余のパリ・セッションの貴重な記録。
現在でも頻繁にタッグを組むフランソワ・テュスクとノエル・マッギー、そして1980年に自殺したベブ・ゲランという錚々たるメンバーによる民族音楽的要素が強いスリリングなハード・バップ・サウンドが展開される。
ドナルド・バード仕込みのコルネットの他、レイシーの奏でるソプラノを彷彿とさせるインドの楽器スルナイ、それにヴァルヴ・トロンボーンと3種の吹奏楽器を巧みに吹きこなすソーントンの多彩な表現力も去る事ながら、ノエルの地鳴りの如きドラミング、ソリッドなテュスクのピアノ、ナイーヴで美しい響きを持つゲランのベース。と、各メンバーそれぞれの強烈な個性が如実に現れた演奏が堪能できる。
ラスト2曲は西アフリカとチュニジアの民謡を美しくカバー。自らのルーツへのオマージュと反人種差別への熱い思いが込められた感動的な演奏で幕を閉じる。
CLIFFORD THORNTON(cor,shenai,tb,p,maracas),FRANCOIS TUSQUES(p),BEB GUERIN(b),NOEL McGHIE(ds,perc)
商品部 青木弓
CLIFFORD THORNTON / クリフォード・ソーントン