ブルース・スプリングスティーン - アメリカの夢と失望を照らし続けた男 (ピーター・エイムズ・カーリン著)

BRUCE SPRINGSTEEN ブルース・スプリングスティーン

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レーベル
アスペクト
国(Country)
JPN
フォーマット
BOOK
規格番号
通販番号
RY131113-BS-01
発売日
2013年11月22日
EAN
9784757221680
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商品詳細情報

アメリカの夢と失望を照らし続けた男ブルース・スプリングスティーンの半生を綴った全米ベストセラー。
ブルース本人のほか、家族、友人の回想、C・クレモンズのラストインタビューなど、関係者の貴重な証言も多数収録。

本書「訳者あとがき」より

2013年、ブルース・スプリングスティーンはデビュー40周年を迎えた。
その記念すべき年に刊行されることとなった本書『ブルース・スプリングスティーン――アメリカの夢と失望を照らし続けた男』(原題BRUCE)は、ブルース本人や彼の片腕、ジョン・ランダウからお墨付きをもらった決定版ともいえる評伝だ。

この本では、アメリカのロックアイコンとなったブルースの人生を、その音楽活動や作品世界、舞台裏、私生活の様子をまじえてクロノロジカルに追いかけていく。ブルース本人や家族、友人、知人の肉声が数多く引用され、各章のタイトルもそうした発言やブルースが書いた詩や歌詞から引かれている。といってブルースを礼賛するのではなく、はぐらかしが多い本人のコメントも紹介して、複雑なパーソナリティを浮き彫りにしているのは興味深い。もちろん、ソウルメイトのスティーヴ・ヴァン・ザントや、いまは亡きクラレンス・クレモンズとの出会いや別れといったエピソードも満載されている。Eストリート・バンドについては、1989年の解散や99年の再結成をめぐる複雑な思いなど、各メンバーの生の証言が多数収録されているのも見逃せないところだ。
ブルースの楽曲についてもひとつひとつ解説され、ヒットナンバーからデビュー前に演奏した曲にいたるまで、曲調やサウンド、詞の内容などが紹介されている。ボブ・ディランにも比肩される、鮮やかに情景を喚起する力やストーリーテリングの才はつとに知られているけれど、本書を読んであらためて驚くのは、その多作ぶりとバラエティに富んでいる点だ。起死回生の一作となった『明日なき暴走』をはじめ、レコーディングに膨大な時間を費やしてきたことにも舌を巻く。
また、デビュー以前、幼少期、さらにはブルースの祖先がアメリカにやってきてからの足跡、家族が見舞われた悲劇なども詳細にわたって記されている。恋愛遍歴や結婚生活、そして何より父親との愛憎なかばする関係が丁寧に綴られているのもファン必読だろう。ブルース自身、本書をいたく気に入ったらしく、あるとき楽屋を訪れた著者をハグして、家族の描き方に感謝していたそうだ。
ほかにも映画館で出会った見知らぬ少年一家との交流や、下積み時代のファン第一号の女性をコンサートに招待しつづけ、のちにスタッフに迎えた話など、ブルースの人柄がしのばれるエピソードには事欠かない。ページを追ううち、ブルースの人生にかかわったさまざまな人が愛おしく感じられ、読み進めるのが惜しくなるだろう。
50年代の郊外のスモールタウンで育った労働者階級の少年は、60年代にロックンロール、ヒッピームーブメント、公民権運動、ベトナム戦争の洗礼を浴び、70年代のニクソン時代の行きづまりを生きのび、そのキャリアを通じてアメリカの心と魂を映し出してきた。紆余曲折をへて、バラク・オバマ大統領から「私は大統領だが、彼は〈ボス〉だ」と言われるようになったブルースは、2000年代以降も軒並みチャート1位に輝くオリジナルアルバムを発表しつづけている。そういった意味では、長年のブルースファンはもちろん、若い世代の音楽ファンにもぜひ本書を手に取ってもらいたいと思う。ここで紹介されるように、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)などのフェスに登場し、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンに加えて、アーケイド・ファイアやベスト・コーストといった下の世代のバンドにも慕われ、若いインディファンの心もつかんでいるブルースには、それがふさわしい。普通に生きようとする人たちが苦しい生活から逃れられずにいるアメリカの現状を、「普通であること」にこだわるブルースはよくわかっている。それが若い世代にも支持される理由のひとつにちがいないし、似たような状況にある日本で本書が読まれる意味もそこにあるはずだ。