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広瀬悦子がブラームス晩年の深遠な世界を描く
広瀬悦子Continuo Classic初登場。広瀬といえばフランス作品や、技巧的なロシア作品のイメージがありますが、ドイツ作品でも正確で格調高い演奏を聴かせます。
今回は1966年生まれのフランスのベテラン・ヴィオラ奏者ピエール・レネールとの共演。レネールはカシュカシア、バシュメトに師事し、パリ・バスティーユ管弦楽団の奏者を務めています。これまでのディスクはパガニーニの「24のカプリス」全曲や、ヴュータンのヴィオラとピアノのための作品全集など技巧的作品や珍品が中心でした。今回は珍しくドイツ作品、それもブラームス最晩年のソナタに挑戦しています。さらにクララ・シューマンの「3つのロマンス」、ヨアヒムのオリジナル作品「ヘブライの旋律」なども加え、作品・人間的に強い関係のあった3者を一堂に会しています。
ブラームスの2篇のヴィオラ・ソナタは1894-5年にクラリネット・ソナタとして書かれ、作曲者本人によりヴィオラ版が作られました。同じ曲ではありますが、重音が可能なヴィオラゆえ和音奏法が現れる点でクラリネット版とは趣を異にしています。
レネールのヴィオラは深い音色が魅力。またたっぷりとした歌いまわしも見事で、ブラームスの緩徐楽章やクララおよびヨアヒム作品の旋律美に陶然とさせられます。
ブラームスもクララ・シューマンもピアニストだったため、ピアノ・パートが難しく書かれていますが、広瀬悦子は雄弁かつ華麗な演奏を披露。渋いはずの世界に独特の色合いを添えています。
(資料提供:キングインターナショナル)
【収録内容】
[1]ブラームス:ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調Op.120の1
[2]同:ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調Op.120の2
[3]クララ・シューマン:3つのロマンス
[4]ヨアヒム:ヘブライの旋律(全3曲)
[5]同:ロマンス
【演奏者】
ピエール・レネール(ヴィオラ)
広瀬悦子(ピアノ)
録音:2021年3月/スタジオ・ゼクエンツァ
PIERRE LENERT / ピエール・レネール
フランスのヴィオラ奏者(1961-) パリ・オペラ座管弦楽団首席奏者