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★ヨーロッパを中心に活躍する古楽奏者でありフォルテピアノ奏者であるハイディ・ツァイによるベートーヴェンとシューマンの間にはさまれた3人の作曲家のピアノ・ソナタ集。 彼女は、アンサンブル「バルセロナ・バロック」を設立、フォルテピアノ奏者としてヨーロッパ各地、上海などで演奏活動を行うほか、現在はフランス在住で後進の指導にもあたっています。
本アルバムは、ロマン派初期に作曲されたフンメル、ブルグミュラー、シュンケの3人の作曲家のピアノ・ソナタを収録しています。時代の過渡期にあり現在でこそほとんど知られていないピアノ・ソナタでありますが、ベートーヴェンからシューマンへと続く道に少なからずとも影響を与えた作品群です。 ベートーヴェンと同時代に生きたフンメル。ピアニストとして名声をほしいままにしていたフンメルですが、作曲家としてベートーヴェンに大きく引き離されることとなります。しかし、このピアノ・ソナタ第5番についてはベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」を凌駕するような新境地を開いた作品となっています。そして1810年にデュッセルドルフで生まれたノルベルト・ブルグミュラー(教則本で有名なのは兄ヨハン・フリードリヒ・フランツ)は、メンデルスゾーンやシューマン、ショパンらと同世代。幼少より音楽の才能を発揮しましたが、体が弱く26歳という若さでこの世を去っています。シューマンは彼の才能を認めており彼の未完の交響曲を補筆しています。ブルグミュラーがまだ10代の頃に作曲されたピアノ・ソナタ。ベートーヴェンの「熱情」を模範とし、ショパンのピアノ・ソナタ第2番を予感させるような野心的な作品となっています。そしてルートヴィヒ・シュンケ。滞在先のライプツィヒでシューマンと親しくなり、この作品3のピアノ・ソナタはシューマンに捧げられています。シュンケはピアニストとして華々しく活躍していましたが、肺結核にかかり24歳で亡くなっています。
17世紀から21世紀まで、そしてチェンバロ、フォルテピアノ、ピアノを巧みに操るハイディ・ツァイならではの好企画盤となっています。
◆トレイラー: https://www.youtube.com/watch?v=jmor57xlPbM (資料提供:キングインターナショナル)
【収録内容】
[1] ノルベルト・ブルグミュラー(1810-1836): ピアノ・ソナタ ヘ短調作品8
[2] ルートヴィヒ・シュンケ(1810-1834): ピアノ・ソナタ ト短調作品3「グランド・ソナタ」
[3] ヨハン・ネポムク・フンメル(1778-1837): ピアノ・ソナタ第5番嬰ヘ短調作品81
【演奏者】
ハイディ・ツァイ(フォルテピアノ)
使用楽器:コンラート・グラーフ1819年製コピー
ポール・マクナルティ作
録音:2016年4月10-14日
b-sharpスタジオ、ベルリン
HEIDI TSAI / ハイディ・ツァイ
鍵盤奏者(チェンバロ、フォルテピアノ、クラヴィコード、オルガン)
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