「Estonian Record Productions」グレート・マエストロ・シリーズCD、ネーメ・ヤルヴィ 3タイトル

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2026.05.15

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エストニアを代表する作曲家、ペーテル・ヴァヒとプロデューサーのティーナ・ヨキネンによって2001年に設立されたレーベル「Estonian Record Productions」のグレート・マエストロ・シリーズ。

 

日本語解説付きの国内仕様盤も発売予定

第18~19巻のセットはネーメ・ヤルヴィ&エストニア国立交響楽団による《ドイツ・レクイエム》&《ロマンティック》のライヴ録音。エストニアの巨匠ネーメ・ヤルヴィはタリン音楽院在学時代にエストニア国立交響楽団(旧・エストニア放送交響楽団)の打楽器奏者として活躍し、その後1963年~1979年と2010年~2020年には首席指揮者として同楽団を世界的水準に育て上げ、良好な関係を築いてきました。今回収録されるのは2019年にタリンのエストニア・コンサート・ホールで行われたコンサートからのライヴ録音集。名門ラトビア国立合唱団の伸びやかなサウンドを存分に引き出し流麗に歌うブラームスの《ドイツ・レクイエム》と、49分台(14'38"/10'11"/7'38"/16'53")という驚愕の快速運転で走り抜けるブルックナーの交響曲第4番《ロマンティック》が2枚組CDに収められています。過去の録音でも速めにテンポを設定し、数多ある重量級の演奏とは一線を画すアプローチが注目を集めたヤルヴィのブルックナー。今回の《ロマンティック》でもその独創的で興味深い解釈は健在です。そのテンポ設定によって生まれた収録時間の余白には、《ロマンティック》の1878年稿の第4楽章《民衆の祭り(Volksfest)》と、エストニア国立男声合唱団が歌う《ヘルゴラント》を収録。

チャック・ベリーの「Roll Over Beethoven」をもじったタイトルが付けられた第20巻は、2人のエストニア人作曲家、ペーテル・ヴァヒとエリス・ハッリクが、ベートーヴェンを題材に21世紀の視点から再構築した3つの作品をネーメ・ヤルヴィ&エストニア国立交響楽団の演奏で収録。ペーテル・ヴァヒがギヤ・カンチェリの訃報を受け短時間で書いた《月の輝きへのオマージュ》は「月光ソナタ」を題材にした作品。元々ヴァイオリン、ピアノ、トロンボーン、コントラバスのために書かれましたが、ヤルヴィの要望で2022年に管弦楽版にアレンジされました。同じくヴァヒの《ベートーヴェンの主題による幻想曲》は「熱情ソナタ」第1楽章の主題に基づく作品で、これが世界初録音。「悲愴ソナタ」や「運命」の痕跡も聴き取ることができます。1986年生まれのエリス・ハッリクによる《The Firehearted》は「レオノーレ序曲」のモチーフが引用された情熱的な音楽。エストニア国立響によるベートーヴェンの生誕250周年記念プログラムのための委嘱作です。後半には同じくヤルヴィ&エストニア国立響によるベートーヴェンの交響曲第4番のライヴ録音をカップリング。さらに同時期に演奏された交響曲第8番の第2楽章が“アンコール”として収録されています。

第22巻はエストニア人作曲家の作品集で、エストニア音楽を世界に広める旗振り役であるネーメ・ヤルヴィが本領を発揮。これまでにも積極的に紹介してきたエストニアの“国民楽派”アルトゥール・カップのオラトリオ《ヨブ》は、1997年にヤルヴィが復活上演して再認知された作品。当レーベルの主宰でもあるペーテル・ヴァヒの《ブルー・コラージュ》はその名の通り、自身の過去の作品の引用やエストニア民謡への言及、東洋の伝統音楽への関心など、ヴァヒの作曲人生の様々な断片をコラージュした物語です。そして次代を担うヤルヴィ一族の若手作曲家、マディス・ヤルヴィの《モルビッド・シンフォニー》はコロナ禍の閉塞感の中に漂っていた暗く、病的であり、悲観的な気分が反映された作品。2022年のネーメ・ヤルヴィ85歳記念演奏会で初演されました。この100年間のエストニア音楽の変化や進化を、ヤルヴィをはじめとする第一線で活躍するメンバーたちが示した1枚です。すべてライヴ録音。