間違いなく今後のラップシーンに一石を投じる作品の登場。北海道の札幌より、現在最もその活動が注目されているHIP HOPグループ、MIC JACK PRODUCTION。革新と保守の奇跡の混在。3枚の傑作12"シングル投下も束の間、いよいよセカンドアルバム。CD、そしてアナログ3枚組(！！)、同時リリース！通常、トラックメイカーが３人いて、それぞれが独自に作っていくというのはなかなかまれな状態だと思うのだが、最終的に列べていくと自然に絡み合い、ラッパーの個性もそこへ交わっていく。バラバラなようでバラバラではない跡に近い組み合わせ。「オルタナティブ」という言葉が見事にはまる彼等、フルアルバムでもその素質を十二分に発揮していますが、中にはそれとは真逆に位置するであろう保守とも取れるストレートなヒップホップも多くちりばめられております。先行12"でも垣間魅れた、ロック、ソウル、ジャズ、ハウス、レゲエなどヒップホップ以外のあらゆる音楽も心底楽しみ、消化して、更には彼等らしいパフォーマンスでアウトプット。一言では、そして一曲では絶対に言い切れない多面性を持つ、気負いのないスーパーナチュラルミュージックジャンキー達。一つのアルバムに同居させることはなかなか難しいと思えるようなことだが、彼等はそれぞれの個性を認め合い理解しあうことでより強力な相乗効果を生み、見事にまとめ上げた、間違いなく今後残っていく作品であり今聴くべき才能の集まりであります。
