アルバムタイトルそして、僕の制作のコンセプトである「ALL THINGS MUST BE EQUAL」写真、グラフィック、ムービー、音楽、何であっても一度デジタルに変換することにより、僕はそれを平等に扱うことができる。宇宙的な視点からみたらすべてのモノは平等である。宗教的な意図はないが、言い換えれば神の視点にたてば万物は平等である。 デジタルとは僕にとって、大袈裟に言うと、神の視点を持つということのような気がしている。
すべてはベルリンから始まった。今回のレコーディングは、ベルリンのテクノレーベル「SLEEPERS」からのオファーから始まった。僕は1996年にソニーから「EQUAL」、1998年に最後のアルバム「LSD & REMIXERS」(ミュージックマイン)を発売してその後、音楽の世界から遠ざかっていた。ただしネットの動画サイトには、「OSAMU SATO」で検索すると僕のゲームや音楽、未発表のものまでが、アップされている。また同じくして僕のSNSのアカウントには、いろいろな国のファンからコンタクトがあり、そのなかの一つが僕の音楽をアナログでリリースしたいというベルリンからのオファーであった。そして当初、音楽活動を休止していた僕は断っていましたが、熱心にメールをくれるので、昔のDATやハードディスクを調べる約束をしました。するといくつかの未発表のトラックを発見し、記憶が曖昧な曲など聴いていると過去の自分に新たな自分自身を見ているようでした。そしてまた音楽を作りたくなってしまった。それから音楽ソフトを15年以上ぶりにインストールし、まさにリハビリしながらの曲作りが始まった。それからは昼夜を問わず、2ヶ月間、空白の15年を取り戻すべくコンピュータに向かった。 そしてこの15年間は、驚くソフトの進化でした。僕の時代は、Desk Top Musicとはいっても結局はスタジオへいって録音したりミックスしていたことが、文字とおりデスクトップで完結できるものに成っていた。ミキシングのオートメーションなどは当時スタジオでやっていたことよりはるかに細かい設定ができることにも驚いたし、音源、エフェクター、ミキサーもが一体化し、正に音を神の視(聴)点で平等に扱える環境が整っていった。
そしてこの春、僕の写真作品の個展と同時にサブライム・レコードから「ALL THINGS MUST BE EQUAL / TYO EDITION」CDが発売される。その後、初夏には、収録曲の一部異なる「ALL THINGS MUST BE EQUAL /BLN EDITION」がベルリンのSLEEPERS RECORDSより世界に向けてアナログレコードで発売予定である。
"
ソングリスト
1.I Want Tou
2.Wolfunkadelic
3.Ufo
4.Global Noise
5.Come On And
6.Eastern Mind (Tong Nou Zen Mix)
7.Fujiyama Karas
8.Nightingale Olympic
9.Number Nine
10.retrocognition 2017 Feat Ryuichi Sakamoto
11.Soprano
12.Tokyo Planet
13.Typhoon
OSAMU SATO / 佐藤理
京都出身、東京在住。父、祖父とも写真家。周囲の大人が芸術関係ばかりという環境で少年期を過ごし、学生時代は、デザインと写真工学を2つの大学で学ぶ。2校の学籍及び浪人、米国遊学、留年により8年間の学生生活を送る。その間に写真やデザインの制作の傍ら電子音楽に興味を持ち始め、シンセサイザーとテープを使い様々な実験音楽、環境音楽を制作、ライブなどで発表。また当時の音楽はNHKの番組BGMやテーマ曲に使用された。またEP-4の佐藤薫氏のインディーズレーベルよりカセット+シルクスクリーンの作品をリリース。1991年、最初の展覧会ではコンピュータグラフィックスで「アルファベチカル・オルガズム」を発表、多くの国内外のプレスから取材を受け、その後もコンスタントに作品を発表。他、マルチメディアプロダクションとして多くの作品に携わり、ソニーミュージックからPCゲーム作品「東脳」、米国ソニーからは米題「EASTERN MIND」としてデビュー。そのほか音楽CD「EQUAL」などが日本、ヨーロッパのソニーからリリースされた。その後、現在もカルトクラシックとして名高いプレイステーションの「LSD/ドリーム・エミュレーター」をアスミックエースより発売。ここ数年では音楽アルバム「ALL THINGS MUST BE EQUAL」、「OBJECTLESS」、「LSD REVAMPED」が日本はもとより海外でもリリース、2020年も幾つかの海外プロジェクトが進行中である。
