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1987年に結成されたピアノ・トリオの重鎮、トリオ・ヴァンダラーによるシューマンのピアノ三重奏曲全集。 妻クララへの誕生日プレゼントのために作曲された第1番(1847 年)。メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番ニ短調に影響を受けて作曲され、この2 作品はロマン派を代表するピアノ三重奏として広く認知されています。第2番は、1847年に第1番と同時期に作曲されました。次第にシューマンを苦しめる心の病から逃れるかのように、明るく前向きな内容で、シューマン自身「甘やかで生き生きとした印象」としており、後にクララはこの作品について「私の魂の深いところをあたたかく包み、最初から最後まで私を喜ばせる作品」であり「大好きで何度も演奏したい」と述べました。1851年に作曲された第3番は、シューマン家でクララのピアノで初演されたのち、1852年に公開初演されました。クララ自身、この作品を情熱的で創意に満ちていると非常に気に入っていたようすの日記が遺されています。充実していたシューマンの、情熱と創意に満ちたトリオを絶妙なアンサンブルで聴くことができます。
カップリングには、ヴィオラのクリストフ・ゴーゲ、ヴァイオリンのカトリーヌ・モンティエを招いてピアノ五重奏曲、ピアノ四重奏曲を収録。ともにシューマンの好んだ変ホ長調という調性で書かれた作品で、「室内楽の年」1842年の10月と11月に相次いで完成しています。なかでも、作曲の過程でメンデルスゾーンがアドバイスを授けたピアノ五重奏では、楽想ゆたかなピアノがまず格別。トリオ・ヴァンダラーの深い情緒を感じさせる円熟の演奏で聴かせます。
(資料提供:キングインターナショナル)
【収録内容】
シューマン:ピアノ三重奏曲全集
[CD1]
・ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47 *
・ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44**
[CD2]
・ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op. 63
・ピアノ三重奏曲 第2番 ヘ長調 Op.80
[CD3]
・ピアノ三重奏曲第3番ト短調 op.110
・幻想小曲集 イ短調 Op.88
【演奏者】
トリオ・ヴァンダラー
・ジャン=マルク・フィリップ=ヴァルジャブディアン(ヴァイオリン)
・ラファエル・ピドゥー(チェロ)
・ヴァンサン・コック(ピアノ)
クリストフ・ゴーゲ(ヴィオラ)*/**
カトリーヌ・モンティエ(ヴァイオリン)**
録音:2020年9~10月、ポワティエ・オーディトリアム劇場(フランス)
TRIO WANDERER / トリオ・ワンダラー