【コラム・オンラインレビュー】ディスクユニオン HIPHOP STAFF'S CHOICE

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2020.10.29

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ディスクユニオンのショップスタッフ/ショップバイヤーによる
"何でもあり"の
ヒップホップ コラム・レビュー企画がスタート!

ショップスタッフがオススメする新譜や旧譜、最近中古屋で見つけたお気に入りのレコード、
はたまた中古市場でも入手困難なレア盤の私物自慢から最近リピートしまくっているサブスク音源まで
"何でもあり"でご紹介!!






タイトル:1988
アーティスト:KNXWLEDGE


激動の2020年、世界中で自粛ムードが高まりだした3月末にリリースされた本作は、私にとって今年もっとも心に残ったアルバムとなった。冒頭、カット・クロースの「SURRENDER」がネタに使われた"DON'T BE AFRAID"に勝手にメッセージ性を感じ、そのときの自身の心情をポジティブに変え、意識的か、はたまた無意識か、見事にストーリーテリングされたこのアルバムを聴き終えたころには、心は晴れやかになり、前向きな気持ちになったのをよく覚えている。多様なネタのメロディやボーカルサンプルを思う存分に活かした有機的なビート、彼の根底にあるゴスペル的ムードは、人の心情をプラスに変える“何か”が潜んでいる。心を揺さぶる音楽には“魂”が宿るなんてよく言われるけれど、彼のビートにも“魂”が宿る、そう言い切れるほどに大きな影響を与えてくれた。

木村亮介(渋谷クラブミュージックショップ)

渋谷クラブミュージックショップ
〒150-0042
東京都渋谷区宇田川町30-7アンテナ21 4F
https://diskunion.net/shop/ct/shibuya_club







タイトル:BODIANOVA ~Saudade do Rio
アーティスト:BODIKHUU


モンゴル、ウランバートルのトラックメーカーBODIKHUUによるブラジルへのラブレター的な一枚。

BADEN POWELL作、Berimbauでは2006年にリリースされたSERGIO MENDES版、
STEVIE WONDERが魅せたハープの哀愁的なアプローチに触発されたであろう、正しくHIPHOP meetsブラジルなベストトラック。

JAY DEEがソロ作で奏でたBRAZILIAN GROOVE、RICO SUAVE BOSSA NOVA、名曲PHARCYDE/RUNNIN'などにも劣らないブラジル愛に溢れた重要作。

「リオへの憧憬」と題された邦題含め、これを聴いて少しの間旅に出ましょう。

藤本康寛(吉祥寺店)

吉祥寺店
〒180-8520
東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目5-1
吉祥寺パルコ B1F内
http://blog-kichijyouji.diskunion.net/






タイトル:FANTASY ISLAND
アーティスト:JAY WORTHY X THE ALCHEMIST


リリース前、インフォメーションのジャケットを見て「おーー!!アルケミ??和モノ??」とつい言葉を漏らしたのを覚えています。
ラッパーLNDN DRUGSの片割れ「JAY WORTHY」を知ったのも正直このタイミング。
内容はもちろんジャケットもギリギリのインパクト!!昨今の和モノブームにもマッチし大橋純子や大野雄二、マリーンなど日本人目線からも納得のチョイスとハイなサンプリングセンス!!
帯は直訳されちょいダサデザインな80's感、、INSTはレコードオンリーなコレクター心をくすぐる仕様!!
最近はウォントリストに載る人気盤です。
あまりの人気で2NDプレスまではされましたがそれ以降の追加プレス情報が現状ない、、3RDプレスを期待しよう!!

杉本和弥(町田店)


町田店
〒194-0013 町田市原町田4-9-8
町田シエロ1F
http://blog-machida.diskunion.net/







タイトル:PIMP SHIT
アーティスト:PLAYA G


テネシー州ナッシュビルで活動するメンフィス出身のラッパーPlaya Gの1996年リリースの1ST、歴史的大名盤!!
G-RAPのオススメ盤は?とか、好きな盤は?とか、なにかを聞かれた時は必ずこの作品を答えるほど自分の中で存在感がある1枚です。

全編を通して「甘く怪しくやるせない」G-RAP最高峰の内容とPen & Pixel GraphicsによるこれぞG-RAPと言えるジャケットはもちろん、
オリジナルのみラベル面が青く(通称青盤)とてつもない金額で取引されていたり、
何種類も再発盤が出ていてそれぞれに見分け方があったりと、G-RAPの良さや難しさ、奥深さを教えてくれた師匠のような1枚でもあります。

今年になってCDとLPで再発盤が出てますので、気になった方は是非!!
G Starr名義でシンガーとして活動していますので今後にも期待です!!(内容も抜群、YOU TOUBEにPVも上がってます!!)

橋本吉広(下北沢クラブミュージックショップ)


下北沢クラブミュージックショップ
〒155-0031
東京都世田谷区北沢1-40-6
http://blog-ocha-club.diskunion.net/






タイトル:Sweet November
アーティスト:TROOP


カルフォルニア出身、男性5人組(当時) TROOPの92年作『DEEPA』に収録されている「Sweet November」。
秋も深まりそろそろ11月か〜。それにしてもサンマ高いな〜。なんて時期に自然と聴いてしまう曲です。
BABYFACE節が炸裂した素晴らしいSLOW JAMですが元々氏が所属していたTHE DEELEのアルバムに入っていた曲なのでカバーになります。
過ぎ去った秋の恋愛を回想して想いを巡らす曲とでも言いますでしょうか。
秋の少し哀愁漂った情景とマッチする淡い曲でしてこの時期是非聴いて欲しいオススメの一曲です。
レコードはありませんが、CDはお手軽な価格かと思いますので中古で見かけた際は是非手に取ってみてくださいね。

春山大介(新宿ソウル・ダンスミュージックショップ)


新宿ソウル・ダンスミュージックショップ
〒160-0022
東京都新宿区新宿3-34-1 ジュラクツインBビル 4F
https://diskunion.net/shop/ct/shinjuku_soul_dancemusic







タイトル:花と雨
アーティスト:SEEDA シーダ


当時の新鋭ラッパーと新世代凄腕プロデューサーとのがっぷり四つ作。
BLのふり幅広い最先端ビートにSEEDAの生々しいラップが乗る、紛うことなき日本語ラップクラッシック。
冒頭の1曲目から一線級国内ラッパー名を上げてんのか貶してんのか分からないネームドロップにいきなり耳を奪われる。
その後もSCARS構成員及びシーンの新たな見本市としてシーン拡大に多大な貢献をした人気シリーズ"CONCRETE GREEN"周辺メンバーを客演に迎えつつ、US HIPHOPと温度差の無いイリーガルなハスリンを題材としたラップは後に大量のフォロワーを生む。
最後の"花と雨"は亡き実姉に捧げた日本語ラップ史に残るエモーショナルな楽曲に。再生したが最後、ボーナストラックに至るまでつるっと聴き通させる作りは、徹頭徹尾クラシックを作ろうという意欲ビンビン。
余りにも聴きすぎてしまい、お陰様で毎年9月3日は「空が涙しないか」毎度意識してしまう体になってしまいました。
今年ようやくLP化もされましたのでアナログ派の方も是非に。


多和匡仁(新宿ソウル・ダンスミュージックショップ)


新宿ソウル・ダンスミュージックショップ
〒160-0022
東京都新宿区新宿3-34-1 ジュラクツインBビル 4F
https://diskunion.net/shop/ct/shinjuku_soul_dancemusic






タイトル:FRANCHISE
アーティスト:TRAVIS SCOTT


人気ゲーム「FORTNITE」でのデジタル・ライヴやマクドナルドとのコラボレーション、話題沸騰の映画「TENET」の主題歌、プレイステーションとクリエイティブ部門としてのパートナーシップ契約などなど今やHIPHOPスター街道爆進中のラッパー、TRAVIS SCOTTによる最新シングル!詳細は明らかになっていませんが次回作に収録予定だそうです!
なんとっても個人的ハイライトはM.I.A.でしょう!TRAVIS本人も影響を受けたアーティストとして名前を挙げているようで期待通りの格好良さ!
自身のサイト限定で7インチと12インチをリリースしていましたが一般流通は残念ながらなさそうですね...ですが、待たれる新作に今から期待大です!

藤井優(新宿ソウル・ダンスミュージックショップ)

新宿ソウル・ダンスミュージックショップ
〒160-0022
東京都新宿区新宿3-34-1 ジュラクツインBビル 4F
https://diskunion.net/shop/ct/shinjuku_soul_dancemusic






タイトル:
NEUTRINO
アーティスト:NEUTRINO


今は無き伝説の(!?)、お茶の水クラブミュージックショップに居た時、
お世話になったセンパイと店頭で流して唸ってたあの頃を思い出します…

NEUTRINO本人たちが、何かのインタビューで確か
『特に曲にコンセプトとかはなくてそれぞれの音の構成や、組み合わせが気持ちければそれで…』
みたいな事言ってたのが印象的でした。

蘊蓄なく純粋にMPC3000弾いて組まれたシーケンスは、BPM90~95前後のシンプルでミニマル、
派手さは無いけどループと曲展開の"間"が、力抜けてていい感じのラフさ、落ち着きというか…余裕ある感じ?
当時そういう所に相当センスを感じましたし、インストゥルメンタル~ビートメイキングの奥深さを再認識したオススメの1枚です

中古盤で見つけたら、とりあえず聴いてみてください。


米澤雄一(渋谷クラブミュージックショップ)


渋谷クラブミュージックショップ
〒150-0042
東京都渋谷区宇田川町30-7アンテナ21 4F
https://diskunion.net/shop/ct/shibuya_club






タイトル:WHO WANNA RAP 2
アーティスト:SLUM RC


C.O.S.A.、CAMPANELLA、YUKSTA-ILLといった現在の日本語ラップ界で太い存在感を発揮するメンバーが所属していた名古屋ハードコア・ラップ集団SLUM RC
2015年にその熱量の高さで日本語ラップ・ヘッズたちを驚愕させたアルバム「WHO WANNA RAP」を発表したが、本作はその続編という名目のリミックス・アルバム。
非常に豪華なリミキサー達が名を連ねてはいるが、再構築された(されすぎた)トラックを聴くと、なるほど「続編」「2」という言葉がピッタリ、「リミックス」なんて範疇に収めるのが申し訳ないほど。
ただハードコアに、よりカオスに、そんな注文が飛び交うアルバム作成風景が目に浮かぶ。
SLUM RCの活動は1年ほどで終了しているが、叶うものなら「WHO WANNA RAP 3」で続編を出してほしいものである。…それと「WHO WANNA RAP」のアナログ化も。


相馬匡志 (横浜西口店)


横浜西口店
〒220-0005
横浜市西区南幸2-8-9ブライト横浜ビル2F
https://diskunion.net/shop/ct/yokohama_west






タイトル:UPTEMPO HIGH
アーティスト:DJ GAJIROH


レペゼン京都 BONG BROS RECORDS所属、DJ GAJIROHによる最新MIX。
私自身、氏の数々のMIXはチェックしてきており、どのタイトルも名作だが、今作も「間違いない」とバイヤーとして遠慮なくプッシュ出来る仕上がりに。タイトル通り、BPM100超を保った新旧問わないUPTEMPOかつURBANでHIGHになるGANGSTA SH*Tの数々。それを曲の良さを決して損なうことなく1つのMIXに纏める長年のキャリアに裏付けされた確かなDJスキル。
ヘッズやDJ、ダンサー、G-RAPファン等問わず全ての音楽ファンに聴いて欲しいMIX!マスト!

我妻貴紀(渋谷クラブミュージックショップ)


〒150-0042
東京都渋谷区宇田川町30-7アンテナ21 4F
https://diskunion.net/shop/ct/shibuya_club

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