◆彼のトレードマークとも言うべき感性に満ちた視点と、唯一無二のヴォーカル・スタイルが炸裂するこのEP『ELASTICITY』。現在公開されているアルバム・タイトル曲「Elasticity」も、その独創的な世界観をハード・ドライヴィングなサウンドがアンセミックに鳴り響く唯一無二の存在感を持つ楽曲となっている(カフカ的な世界観を持つビデオ・クリップもその世界観をより研ぎ澄ませているかのようだ)。この他にも、愛すべきアルメニアへの思いを声を大にして伝える「Electric Yerevan」や、ひねくれた政治的マッシュ・アップが痛快な「Your Mom」、ピアノがリードする「How Many Times?」、そしてサージが彼の息子であるRumi、そして詩人のRumiについて書き上げたという「Rumi」といった楽曲が収録されている。
◆活動家としてサージが長く訴え続けた「アルメニア人に対するジェノサイド(民族の集団虐殺)を認定する法案」も、彼の活動が実り、2019年12月に議会で遂に承認されることになった。また、グラミーを受賞する世界的ロック・スターとして、そして活動家としての姿を捉えたサージのドキュメンタリー映画『Truth To Power』の公開も予定されており、サージ・タンキアンというアーティストが持つ発信力/訴求力、そして社会的正義への声は、より大きく世界に轟いていくことになるだろう。