◆その高い音楽性と圧倒的な歌唱力で世界中のファンのみならずミュージシャンやメディアからの尊敬を集める、北アイルランドが生んだ孤高のシンガー・ソングライターにして稀代のアイリッシュ・ソウルマン、ヴァン・モリソン。1964年にTHEMでデビューを果たし、その後ソロ・アーティストとして活躍、2度のグラミー賞を受賞、音楽界への偉大なる貢献を称えBrit Awardから「Outstanding Contribution to Music」賞を受賞したほか、ロックの殿堂とソングライターの殿堂入りを果たし、1996年には大英帝国勲章を授与され、2016年にはナイトの称号を受けるなど、まさに「偉大なる」伝説のミュージシャンだ。
◆今もなお精力的に最新作を発表し続ける孤高の伝説から、早くも通算42枚目となる新たな作品が届けられた。それが、シンプルに『LATEST RECORD PROJECT VOLUME 1』と名付けられた、全28曲を収録したこの2枚組アルバムだ。ブルースやR&B、ジャズ、そしてソウルといったサウンドへの深い愛情を深くサウンドに刻み込んだこの最新作は、近年彼が発表した作品と比較してもよりダイナミックで、よりコンテンポラリーな作品に仕上がっている。60年代から休むことなく音楽探求の道を歩み続ける伝説が今もなお高潔性と優秀性を持ち続けている、という、その証ともいえるようなアルバムだ。
◆世界的なパンデミックを受け、日常生活から隔離され、ツアーもできない毎日を過ごしていた彼は、その間ピアノやギター、サックスなど弾きながらアイデアをまとめ、ソングライティングを続けていった。彼がイメージするサウンドをそのままレコーディングし、作品としてまとめあげたのが、この最新作『LATEST RECORD PROJECT VOLUME 1』だ。キング・オブ・ケルティック・ソウルが歌う胸に直接響くバリトン・ヴォイスと豊潤なサウンドが聴く者全てを魅了する、偉大なるアーティストによる偉大なるアルバムが、ここに届けられたのだ。
◆アルバムのタイトル・トラックとなる「Latest Record Project」では、暖かいオルガンの音色とシャララ・ドゥーワップ・バッキング・コーラスとのハーモニーがたまらない、ヴァン・モリソンの表現力豊かな歌声を堪能させてくれる。今作には他にも、サックスがリードするR&Bチューン「Jealously」や楽しさに満ちたカントリー調の「A Few Bars Early」、THEMにも通じるガレージ・ロック・スタイルを聴かせてくれる「Stop Bitching, Do Something」といった楽曲が収録されている。
◆夜更けの温もりにも似たロマンティックでセンティメンタルな楽曲はもちろんのこと、現代社会への歯に衣着せぬコメントをテーマにした楽曲など、ヴァン・モリソンらしさと、さらなる音楽探求の歩みを続ける彼の姿勢を凝縮した全24曲を収録したこの最新作『LATEST RECORD PROJECT VOLUME 1』。過去にとどまることなく現代を歩み続ける彼の姿は、まさに「孤高」であり「偉大」だ。彼が音楽を作り続ける限り、音楽史は新たな一ページを刻み続けることになるだろう。