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「薄皮」を意味する古代英語の「filmen」に由来をもつという「film」。その複数形を名前に冠した「films」の音楽は、まさに、そんな「薄皮」が幾重にも繊細に織り綴られたヴェールのイメージにふさわしい。(天井潤之介)
謎のヴェールに包まれたfilmsの記念すべき処女作。nobleレーベルにfilmsと言う名の新たな仲間が加わる。filmsのサウンドを端的に表すと、物語性が高く、イメージを喚起させる視覚的要素の強い音楽、つまり、その名の通り、極めて映画的な音楽と言えます。クラシック、ミニマル、エレクトロニカ、アンビエントなどの境界線を行き来しつつも、しかしそのどれにも収まらない、フリーフォームに鳴らされる自由で美しい音楽です。『messenger』と銘打たれたこの記念すべき1stアルバムは、架空の寓話をテーマに創作されています。ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと言ったクラシック楽器の厳かなアンサンブルに、少しの電子音、そして靄の向こうから聴こえてくるような儚げな女性ヴォイスが溶け合う、アルバム全体がまるで1つの重厚な物語のような作品です。遠い異国、暗く深い針葉樹の森の中を彷徨っているような、廃退的な美しさを纏ったこの静寂な幻想世界に、リスナーは知らず知らずに引き込まれている感覚に陥るでしょう。気品と狂気と美しさと醜さを全て内包したダーク・ファンタジー。filmsが描く不思議の国。夜に聴く事をお勧めします。
FILMS(NOBLE)