KENTARO TAKIZAWA Major Debut Album『BIG ROOM』インタビュー!

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  • 2009.11.25

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    新世代ハウスクリエイターの旗手、Kentaro Takizawaの4枚目のアルバムにして待望のメジャー・デビュー作『Big Room』が完成した。直球ストライクな気持ち良さ。アップリフティングでポップで爽やかなそのサウンドは昨今のメジャー系ハウス・ファンにはもうたまらない内容だと断言できる。が、意外にもそのサウンドはTakizawaが自らに向き合い、悩み抜き、闘った結果、作り上げられた気持ちの良さなのだ!
     
     
    ---アルバム完成おめでとうございまず。制作を終えてどんな気分ですか?
     
    K : ありがとうございます。2年ぶりのアルバムなんですけど、ようやく出来たなぁ~と。自分が今まで辿ってきて、経験してきたこと…。感じてきたものを素直にハウスとして出せたなぁ…って。凝縮されたものですね。やっと自分自身で納得のいくものが作れたっていう感じですね。
     
    ---本作『Big Room』っていうタイトルの由来は?
     
    K : 今年の2月くらいですかね…、確か"loop"の「smoker」でアレックス(・フロム・トーキョー)に会って、一緒にクルマで帰ったときに「Heart Beat」のデモを聴いてもらったんですよ。そしたら、『ワォ~、ビッグルーム・チューン!!』って(笑)。そこで、『Big Room』ってキーワードが出たのがあって。で、同時に前作「Heart to Heart」を出してから、それ以前より大きいクラブでDJをやる機会が増えたんですよね。それまで自分は小バコが多かったんですけど、例えば小バコだと100人に対してのDJなんですけど、大きいハコだと1000人に近かったりして…、ハコの規模感に対するDJって差があって、小バコには小バコだからこそできる内容もあるんですが、大バコで一気に大勢の人数をDJで動かすっていう体験をして、快感を覚えて。大バコならではの音楽の伝え方の強さっていうのも凄い感じてて。そんな経験もあって、今作に関してはより多くの人に広げたいハウスっていう意味のあるアルバムということもあって、いろんな意味を込めて『Big Room』にしたんですよね。あとは、まぁおれも身体がデカイとか(笑)。『Big Room』は自分ってことでもあるんですよ(笑)。あと、サウンド的に前よりダイナミックな方向を目指していて、それって、いい意味でザックリしてるっていう感覚で作ったんですけど、タイトルもザックリ(トルツメ)したかったんですよ。アタマいい感じのタイトルっていうよりは、ひと言で『Big Room!!』って言えるくらい単純な方が、伝えたいメッセージが伝わりやすいのかなって。
     
    ---なるほどねぇ~(笑)。それにしても、確かにダイナミックになっているし、楽曲のクオリティーが音楽的に確実にあがってる印象があって…、この2年間のスキルアップも感じるね!
     
    K : ありがとうございます!この2年間は高宮(永徹)さんの打ち込み指導とかもあって…(笑)、わざわざ家まで来てくれて、『サンプラーはこうやって使うんだ~!』とか、福富(幸宏)さんも『こうしたらいいんじゃない?』とか、まぁ、タマにしか言ってくれないんですけどね(笑)。そういうのがあるかも知れませんね。
     
    ---それまで世話になった人達の助力もあったりするんだね…。
     
    K : そうですね…。みなさんの力で出来上がったアルバムだと思いますね。
     
    ---そうなんだねぇ~。全体を通して聴くと、よく練り上げられたアルバムだなぁと感じるんだけど、全体像は先にあったの?
    K : そうですね。正直いうと前作「Heart To Heart」を作り終えてからも、ず~っとプリプロみたいなことはしてたんですけど、そのときは自分の中に何も無かったんですよね。からっぽのまま、そのまま去年に入って、何やっていいのかわからなくなっちゃったんですよ。それはデモ出しとかで苦しみがいろいろあって…。『こうだ!』と思ったら、『違う』みたいなこととか。何回もそんなやりとりとしているうちに、ホント何もわからなくなっちゃって…。で、去年の夏ぐらいが最高に精神的に悪い時期で、やさぐれてたんですけど。そんななかで、Ryoheiさんと、合宿曲作り大会っていうのをたまにやってるんですけど(笑)、泊まり込みで2泊3日温泉付きみたいな感じで(笑)。今年のアタマくらいにその合宿で、デモを作り始めたときに「Heart Beat」がうまれたんですけど、その辺から大体のイメージが掴めてきて。この2年の経験で、音楽を大勢の人に伝えたいって感覚はずっとあったんで、…だから、やっぱり作る前にこういうものにしよう、っていうのは見えてたのかもしれないですよね。今年のアタマにハッキリ見えてからはまっすぐ突き進むだけだったんで…(笑)。何周もしてゼロに戻ったときに、見えた!みたいな感じですね。
     
    ---メジャーデビューの陰には、相当大変な思いもあったんだね…。
     
    K : そうですねぇ…、『おれはこのまま引退していくのか?』とか思ったりもしたし、『ハウス、好きだけど嫌い!』みたいな時期もありましたし…(笑)。
     
    ---復活のきっかけは、Ryoheiくんとのセッションだったんですね?
     
    K : そうですね。それと、自分の中での考えが変わったのが一番大きかったんですかね…。
     
    ---すっきりした?
     
    K : きっかけとか特になかったんですが…、とあるとき、某配信チャートを見ていて、某配信チャートのチャート上位にあがるものって、クラブの現場とかけ離れてて、これはクラブミュージックとか、ハウスではないな...と思っていて。対照的に自分の立ち位置を考えてみたんですよ。…そしたら、『俺、ハウスDJじゃん!』って思って。そこから、ハウスDJのアルバムを作ろうって思ったんですよ。より多くの人にハウスを伝えるのが自分の役目だ、と思ったんですよ。自分がネクスト・レベルに行くことによって、シーンにも少しでも貢献できるかなって思ったんですよね。 
     
    ---おおっ。心強いね!
    ---フィーチャリング・シンガーの人選は絶妙な感じだね。
     
    K : 最初にあったイメージとして、王道感がほしいなぁっていうのがあって…。ホントに俺にとっても憧れの外人シンガーの方々なんですけど。そういう人とやることによって、本当のハウス・セッションってできると思ったんですよ。あとは、果たして自分が日本人だからできるハウス・セッションって何だろうって思ったら、憧れよりも、やっぱり近い人かなと。みんなで作ることが日本人だからできるハウス・セッションだと思って。いちばんそのハウス・セッションが表れたのが、「Keep Love Together」の全員参加だったりとか!
     
    ---これ凄いよね。
     
    K : なかなか出来ないですよね、こういうことは。
     
    ---日本人だけど、ゴスペル・ライクになってるもんね!
     
    K : 自分も歌いましたからね。その場にいたほとんどの人に歌ってもらいましたよ。ほんとに楽しいレコーディングだったんですよね。ハウス・セッションっていうのを肌で感じられて、俺、はじめて踊りながら歌録りましたよ。で、リードはRyoheiさんと有坂美香さんなんですけど、日本でもトップクラスのスキルを持った2人がデュエットするっていうのは、録ってても超アガリますね!ハイレベルの戦いみたいな!で、2日間歌録りしたんですけど、1日目はそういうトップレベルの戦いを見て。次の日は、全員で歌おうぜ!みたいな、またピースな空間で。ほんとに2日とも楽しかったですね!自分のなかで、ちゃんとしたハウスを作ろうと思ってやったら、若い日本人勢とベテランの外人勢という…、結果的にそうなったんですね。
     
    ---なるほどね。
     
    K : あと、いい意味でキッチリしない音楽を創りたかったんですよ。…というのは、例えば、『打ち込みだからこそ、揺らがないと!!』みたいな。
     
    ---スイング感っていうこと?
     
    K : ええ。それじゃないとハウスじゃないなと。今までの自分の作品にはそれがあんまりなかったんですよね。技術的にいうと、例えばリズムの『ドッチッ、タッチッ』ってあるじゃないですか?あれってきれいに打ち込むと踊れないんですよね。
     
    ---なんか、そうみたいだよね?自分は作ってないからわからないけど…。
     
    K : 揺らぎが、スイング感を生み出すみたいな。あとは、『Keep Love Together』のコーラスに関しても、自分とかが歌ったり、プロじゃない人が参加した理由もそこにあって。プロだけだと、ゴスペルにならなかったと思うんですよ。きれいすぎて…。そこに下手な自分とかが歌うことで、揺らぎが生まれるって気持ちでやってたんですけど…(笑)。そういう大ざっぱ感っていうのがグルーヴに繋がってるのかなって思うんですよね。全曲そこは意識してやりました。
     
    ---細かいけど、おおきなところかも知れないね。ハウスっぽさだよね。
     
    K : ええ。やっぱりハウスってそうあるべきだと感じてるんで。
     
    ---ところで今、同世代で気になってるDJとかクリエイターっているかな…。
     
    K :最近、ASOBISYSTEMっていうチームと、いろいろやらせてもらっているんですが、そこの社長って、俺のひとつ下なんですけど、パーティーやったら1000人以上を楽に集めちゃうんですよ。ageHaとかパンパンにしちゃうんですよね。アーミー君っていう人なんですけど、エレクトロ・シーンのど真ん中にいる人なんですよ。3年くらい前に"Club Asia"でDJやってる時に知り合ったんですけど、『ハウス最高っす!』とか言ってくるスーツ姿の男がいたんですけど、それがアーミー君だったんですよね。彼がハウスを凄い好きってことは、なんか自分に通じるものがあるんじゃないかと思ったんですよ。で、今年からいろいろ一緒に仕事するようになって、ASOBISYSTEMのパーティーにも出るようになって。すごく意外だったんですけど、プレイしている曲が共通してたりするんですよね。それこそ、DFA辺りの音やディスコ・ダブなんかもかかるんですよ。彼らのシーンは、凄く面白いですね。今後期待したいのは、彼らのシーンと他ジャンルであるハウスの僕たちとのシンクロが起こったら、我々の世代独特のもっと大きなムーヴメントが起きたら…。って思うんですよね。
     
    ---おぉ。いい話だねぇ~!!
     
    K : 今回のアルバムにはそういった、エレクトロ的な動きに、自分的に影響を受けて、ハウス的な解釈をした楽曲も含まれています。最初にも言いましたけど、自分自身が納得するものをやっと作れたっていう感じですね。ジャンルっていうより、Kentaro Takizawaの音楽っていうことで。それが形になったから手応えがあります。今までとは違うぞと。
     
    ---このアルバムはイコールKentaro Takizawaなんだね。
     
    K : そうとらえてもらえると本当に嬉しいですね。ジャンル= Kentaro Takizawaにしたいですね(笑)
     
    ---これから始まるツアーはそれを聴きに来てくれ!!ってとこかな?
     
    K : ええ。メチャクチャ楽しみです!
     

     
    interview : Kenji Hasegawa
    • KENTARO TAKIZAWA / Big Room
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      Big Room

      KENTARO TAKIZAWA

      2009年11月25日 / CD / JPN

      2,880円(税込)

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