System 7 ツアーファイナル, After The Seven パーティーレポート

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2024.06.28

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【System 7 ツアーファイナル(Duo Music Exchange 渋谷) x After The Seven in ZEROTOKYO アフターパーティーレポート】


2024年5月10日、渋谷のコンサート会場duo Music Exchangeで開催されたSteve Hillage(スティーヴ・ヒレッジ)とMiquetteGiraudy(ミケット・ジローディ)のユニットSystem 7の公演。初来日から30周年を記念した来日公演ファイナルは大盛況のうちに幕を閉じた。満員となった会場には、幅広い世代のミュージシックラバーが集結し、素晴らしい音楽体験をしたに違いない。

この日はGW明けの金曜日、渋谷は若い世代を中心に賑わっていた。渋谷駅から道玄坂に向かい徒歩10分程、duo Music Exchangeに到着。会場の入り口にはSystem 7と共に2012年にJapan tourを行ったLUNA SEA、XJapanのギタリスト、SUGIZOからの真っ赤な薔薇のプレゼントが飾られており、非常に華やかな雰囲気のエントランスが印象的だった。




フロアは既にぎゅうぎゅう詰めで、ドリンクカウンターにも人が並び前列、後列、2階席と音が響きわたり、空間がひとつの“飛行機”の中にいるような異なる次元へと誘う空気感だった。証明の落とされたダークな雰囲気の会場からSteve Hillageの美しいアルペジオ、鋭角なギターソロで幕をあけた。MiquetteGiraudyがエフェクトをゆっくりと弄りながら手塚治虫の火の鳥をモチーフにした「Song for the Phoenix」が奏でた。スピーカーからフロアに響く空音が身体に柔らかく馴染み、温かく心地よい鋭敏な音が鮮明に聴こえてきた。System 7のセットは、知性とエネルギッシュな感覚が交互に入り混じるダンスセットで、それを織りなすギターサウンドとリズムが重なり異次元へ導くハイパフォーマンスが終始続いた。

ライブパフォーマンスはもちろん期待を裏切らず、A Guy Called Geraldとの共作「Positive Noise」、System 7の別名義であるMirror Systemから「Far Journeys」、「Free Cloud」などが次々と披露され観客を驚かせた。VJであるidealsolutionによるビジュアルアートが音楽と完全にシンクロし、視覚的にも素晴らしい体験を提供し、楽曲ごとに異なる雰囲気を作り出していた。会場のファンは熱狂的でハンドクラップ、手拍子と共に音に合わせて踊り続けており、フロアの前列には若い世代の女性も多くSystem 7の楽曲やパフォーマンスが感度の高い若い層に対して届いている光景がとても印象的であった。




"Festival Trip"より当日の映像が提供されているので、この特別な夜の音体験のリアリティ、雰囲気を感じてみてほしい。

■System 7【LIVE in TOKYO -前半 1st half-】2024.MAY.10, duo MUSIC EXCHANGE,SHIBUYA,TOKYO,JP. 提供:Festival Trip



■System 7【LIVE in TOKYO -後半 2nd half-】2024.MAY.10, duo MUSIC EXCHANGE,SHIBUYA,TOKYO,JP. 提供:Festival Trip


特にエンディング近くで披露された「Space Bird」、「Hinotori」のパフォーマンスは圧巻で、深く響くベースと繊細なメロディとハイトーンのギター、飛び立つ羽を広げた音の粒が融合し、観客を魅了した。フロアはドラマのワンシーンかのように、感覚軸がコンマで揺れながらゆっくりと流れ、魅力的なダンスフロアとなった。パフォーマンス終了後も観客の熱は冷めやらず、アンコールの声が響き渡りSystem 7は再びステージに登場し、大歓声に迎えられてアンコールを披露した。

Steve Hillageが単独でアンコールのパフォーマンスで締め、感動的な夜となった。後々に聞いたが、MiquetteGiraudyが足の怪我をしてしまうトラブルがあったようだ。ツアーを運営された"Waon Productions"代表のShinya Suzuki氏から来場したダンスラバーに心のこもった感謝のメッセージが伝えらたのも印象に残った。このイベントは、音楽の魅力を再確認させてくれるものであり、System 7の創造力が存分に発揮されたツアーファイルだった。ステージの後には、ライブ後のスクリーンを見ながら頬を拭う女性の姿も見受けられ、改めてSystem 7の存在感に感服した。





感動と興奮をひきづったままアフターパーティーの会場へ。向かった先は、西武新宿駅から徒歩3分程にある Zero Tokyo。付近は声掛けの女性が横一列にならび、路上にたむろする輩や、お酒を持ち歩く外国人が一体となり混沌の様相を呈していた。



Zero TokyoのDJブースは5つもあり、エスカレーターを駆使しながら地下深くに潜っていく移動式のクラブだ。ラウンジ空間はゆったりと座れ、スペースが十二分にあり、奥には防音空間の様相を持つブース、ラジオステーション、サブフロア、そして大型ビジュアルとキャパ1000人は収容可能なメインフロアは圧巻だった。今回、初めて訪れたので知識不足ではあったが、エントランス・会場では現金が使用不可であったので今後、足を運ばれる方はご注意願いたい(交通系ICが決裁可能だった)。


Steve Hillageのテクノセットは個人的に堪らなく好皆感じだった。テクノの音と最新のグラフィック映像の中に、不思議と純朴でそよ風が吹く様な、ぽかぽかした日本の田園風景のイメージが、なぜか頭に入ってきた。日本の美を音で表現をしてくれる趣き深いSetに魅力された60分の音の旅だった。長年、日本各地をツアーし、日本を深く知るSteve Hillageだからこそなしえた感覚であった。ヨーロッパ的な音圧と、美しく前衛的な新感覚のセットで会場からは拍手喝采となった60分。その後、オーディエンスに会釈をされブースからステージにおりて握手する姿に沢山の愛を感じた。




また、このアフターパーティーには、日本のパーティーシーンを創成期から牽引している2人が登場した。Tsuyoshi Suzukiは、サイケデリックでは無くNumanoid名義でプレイ、KotaroはTsuyoshi SuzukiのDJの流れを引き継ぎ、圧倒的な安心感と木の幹の様な心強いセットでオーディエンスを魅了した。

素晴らしい音楽体験を今なお提供し続けている諸先輩方への感謝と共に、今回のSystem 7のリポートをダンスフロアが大好きな写真家として、届けれたことを誇りに思いたい。




(↑Waon ProductionsのWebから引用)


Direction: Norihiko kawai
Text & Photo: Atsushi Harada
duo Music Exchange渋谷(http://www.duomusicexchange.com/)
ZEROTOKYO(https://zerotokyo.jp/)