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1950年代のカリプソの名曲をコンパイルしたワールドミュージックファン必聴のコンピレーションCD!!
50年代のカリプソは、西インド諸島から職を求めてイギリスへ移住してきたカリブ移民たちにより大きな変化を遂げることになる。30年代から40年代のカリプソがアメリカでブームを起こしたのに対して、50年代のカリプソはイギリスのカリブ移民のコミュニティーを中心に形成されていくことになる。 カリプソの演奏の形態も50年代を境に移り変わっていく。30年代から40年代までのカリプソはギターを中心とした弦楽器をメインに据えていた、いわば”フォーク”的な要素が強い。実際にアメリカで録音されたカリプソニゕンの中にはLORD INVADERなどはPETE SEEGERのプロデュースや伴奏による録音も残され、それらの貴重な音源はSMITHONIAN FOLKWATSのカリプソ・シリーズの中で聞くことができる。 30年代から40年代の弦楽器を中心にしていたカリプソに対し、50年代のイギリスでブームを巻き起こしたカリプソはブラスを中心にした”(ビッグバンド)ジャズ”の要素が強い。土着的なトリニダッドのカリプソが、英国にてジャズを吸収し生まれたのが50年代のイギリスにおける新世代のカリプソだ。そんな50年から53年のイギリスにおけるカリプソの歴史的な音源をコンパイルしたのが、本作『CALYPSO FEVER』だ。
LORDKITCHENER、LORD BEGINNERなどの新世代のカリプソニアンの英国でのカリプソの貴重な音源に、ジャズの名トランペッター、SHAKA KEANEの録音など、カリプソとジャズの出会いが記録されている。ジャズの影響といっても、強烈なカリブ臭を消すには至っておらず、ジャズに飲み込まれず、洗練されすぎずにさらに泥臭いカリブならではの独特の空気を増幅しているのがイギリスのカリプソの非常に面白いところである。 イギリスのカリプソは、ガーナにおけるハイライフへも大きな影響を与えた。50年代のイギリスにはカリブ海だけでなく、ガーナなど西アフリカからのハイライフのミュージシャンたちも渡英しており、そこで、カリプソからハイライフへの影響があったというわけだ。とりわけガーナ・ハイライフの偉大なる先駆者、E.T.MENSAHによる50年代のダンスバンド・ハイライフを聴けば、その音楽はパームワイン・ミュージックとカリプソのミックスであることが分かる(ちなみに奴隷貿易によりジャマイカへ連れておられたアフリカ人移民の多くはガーナ人であった)。 カリブ移民のコミュニティーにおけるカリプソのブームは、後のジャマイカのスカ、ロックステディー、レゲエがイギリスで受け入れられる大きな土壌になったことも決して忘れてはならない。ISLANDレーベルがイギリスへとレゲエを紹介し受け入れられたのも、カリブ移民たちによるカリプソの土壌があったからに他ならない。 「貧困という名の鎖に繋がれている」とBOB MARLEYが歌ったように、イギリスにおけるカリブ移民の生活というのは貧困と差別で苦しんできた。そんな状況にあってもカリプソニアンたちの奏でる音楽は、こんなにも豊潤でエネルギーに満ち溢れている。カリプソを聴いていて、いつも感じてしまう”こんなにも楽しげな音楽なのに何故か泣けてきてしまう”その勝手な理由に想いを馳せつつ。
V.A.
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