晩年のジョビン・ファミリー・バンド、そして坂本龍一とのコラボ・ユニットなどで知られる、現代の世界的ボサ・シンガー、パウラ・モレレンバウムと、トランペット奏者ジョー・クラウス、ピアニストのラルフ・シュミッドによるトリオ「BOSSARENOVA TRIO」による新作が登場。パウラの透明な声色に、ジョー・クラウスの絶妙なトランペット、ラルフの繊細なピアノを軸にしたアンサンブルで綴られるのは、カルロス・リラ&ホナルド・ボスコリ "Se e Tarde Me Perdoa" 、エドゥ・ロボ "Vento Bravo"、ジスモンチ "Agua e Vinho"、カルロス・リラ "Influencia do Jazz"、ガーシュイン "The Man I Love" といったボサノヴァ~MPB~ジャズ名曲たち。珠玉のメロディを流れるようなアンサンブルと小気味のいいリズムで綴るその内容は、ボサノヴァ、そしてジャズを知り尽くしている面々だからこそと言えるだろう。一方でマルコス・ヴァーリ作 "Nao Tem Nada Nao"、ジョビンの "Samba de uma Nota" では適度なエレクトロニクスを配するなど、遊びのあるアレンジも。まさに現代版ボサノヴァの最高峰といえる一枚に仕上がっている。
