前作『懐かしい(NATSUKASHII)』が2011年ジャズ批評ディスク大賞を受賞したヘルゲ・リエンの最新作はソロ・ピアノアルバム!!! まず注目すべきはソロ・ピアノ作であること。ヘルゲは99年録音(2000年リリース)の初リーダー作『Talking To A Tree』(Lydlauget)をピアノ独奏に選んでおり、この新作はそれ以来のソロ・ピアノとなる。2001年の『What Are You Doing The Rest Of Your Life』(Curling Legs)から、2011年の前作『Natsukashii』(Ozella Music)までの7タイトルを通じて、ノルウェー新世代ピアノ・トリオの代表格の座を不動のものにしたヘルゲが、リーヴェ・リエンで新たな話題を振りまいたばかりのタイミングで、10年以上ぶりとなるソロに取り組んだ旺盛な創作欲が評価される。さらにアルバムを聴き進めれば、同じソロではあっても、前作とはまったくコンセプトが異なる内容だと明らかになって、ファンの誰もが驚くに違いない。(杉田弘樹/ライナーより抜粋)