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ホームグラウンド。そんな言葉をここ"Nardis"には使っている。 今年でオープン20周年になる、千葉県柏市にあるジャズクラブ"Nardis"。
僕は17才の頃からこの店に通い、店主の小峯氏とはかれこれ19年程の付き合いになる。
年に数回しか実家に帰らない親不孝物の僕にとっては、月に2回のライブで必ず会う小峯氏はもはや家族同然の存在でもあり、そしてかけがえのない音楽の先輩でもある。
そんな小峯氏のプロデュースする空間"Nardis"は、良い音楽を愛する人達の集う場所。
店の隅々にまで染み付いたジャズの香り、訪れた人々の笑顔。
そして僕が19年間引き続けて来たこのお店のグランドピアノ。
そう、この空間は僕にとってまさに"Home"なのである。
過去に2つのアルバム(『Signs&Wonders』『Celebration』)をここ"Nardis"でライブ録音し発表してきたが、今回のアルバムが今までと大きく違うのは、バンドメンバーが長年演奏してきたレギュラートリオである事。前の2作品はコンスタントに活動するバンドではなく、セッション色が強かった。
そんな、気心しれたバンドメンバーの愛無くしてはリラックスして演奏できなかったことだろう。
そして優しい物腰で最高の音を記録してくれるエンジニア春日氏と、僕が最も信頼するピアノチューナー辻氏のお二人は、前作『Celebration』からの最強タッグ。
初日の1曲目からリラックスして演奏できたのは、このお二人がいてくれたからこそである。
最後に、忘れてはならないリスナーの皆様。
このライブレコーディングの為に集まってくれた僕の大好きな方々。中には全国各地から泊まりがけでわざわざ聴きに来てくれた方も。
ジャズはリスナーとも対話できる音楽。素晴らしいリスナーがいて初めて素晴らしいライブ空間になるのだ。だからこのライブレコーディングに素晴らしいリスナーの皆様は欠かせない要素だった。結果がどうだったかは、この録音を聴いていただければ一目瞭然(一聴瞭然?)だろう。
この録音は、僕の"Home"で色々な人々の"愛"につつまれて演奏した3日間の記録である。
アルバムを聴いて、皆さんもその1日に参加した様な気分になっていただけたら嬉しい。 (堀秀彰)