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現代若手本格派ピアニスト、アーロン・ディールの新境地
ジャズ/クラシック双方の要素を渾然一体とオリジナルな世界に昇華
2つのルーツをトリオで詩的に描き上げた注目作
★1985年生まれの秀英ピアニスト、アーロン・ディール。Mack Avenue第三弾となる本作は、正統的なジャズ・ピアニストとしての演奏と、自らのルーツであるクラシック・ピアノの要素を渾然一体として、オリジナルな世界に昇華させた、注目の詩的なトリオ作品!
★7歳でピアノを始め、わずか17歳にして、Jazz at Lincoln Center’s Essentially Ellington competitionのファイナリストになり、ウィントン・マルサリス・セプテットのヨーロッパ・ツアーでも演奏。また、3年連続でグラミー賞を受賞したセシル・マクロリン・サルヴァントのレギュラー・ピアニスト、およびミュージック・ディレクターもつとめる存在。ケニー・バロン、エリック・リードに師事し、現代においてもっとも才能を持つ若手本格派の一人と言って過言でないでしょう。
★そんなディールが、本作では新境地を拓いたと感じさせます。“音色や音調、語り口、といったピアノの表現の幅に常に魅せられてきた。それらについては自分の一つのルーツであるクラシック・ピアノに取り組んでいたころの興味に起因する”と語る一方、“ジャンルに問わず、サウンドやニュアンスに富んだ表現に挑戦したいと思うようになった”というディール。同時にフィリップ・グラスとの共演、NYフィルとジョージ・ガーシュインの「ピアノ協奏曲ヘ長調」を演奏する機会にも恵まれて影響をうけ、アプローチを広げていく機会を得たとのこと。本作では、オープニングから、繊細で詩的な表現が印象的です。
★前半7曲がオリジナルで、後半がプロコフィエフ、フィリップ・グラスの楽曲を含め、アレンジ演奏の4曲。しかし、オリジナルにも対位法的なアプローチを含め、スロー・スウィング~4ビート演奏の中にもクラシック的な色彩がまじわった演奏。一方、フィリップ・グラスの楽曲に関しては、“如何にその音楽世界に忠実であるかを考えると同時に、ルーツであるアフロ・アメリカンとしての音楽を表現できるか”と考えているとのこと。ここには、そうした2つのルーツを持つアーロン・ディールの追究が表現されています。
★2013年『The Bespoke Man's Narrative』, 2015年『Space, Time, Continuum』で見せた確実なテクニックはもちろんのこと、表現の幅と深みをみせた最新盤。近年、フレッド・ハーシュにも師事しているというアーロン・ディール。ニュアンスに富んだ表現と、“シルキー”という言葉を連想させてやまない、きめ細やかでなめらかなタッチのエレガントさも魅力です。
メンバー:Aaron Diehl (p), Paul Sikivie(b), Gregory Hutchinson (ds)
AARON DIEHL / アーロン・ディール