◎これまでにインスピレーションを与えてくれた楽曲へのトリビュート作品だと語る本作は、ジャズ・ヴォーカリストとしての彼女のスタイルがよく表現されている作品。そんなスペシャルなアルバムが"Something Cool"で始まるあたり、「おそらく彼女が最も影響を受けた楽曲なのだろう」(アルバムタイトル『About A Date』もこの曲の歌詞から引用されています!)という期待を裏切らず、スタンダードナンバーとオリジナル楽曲が混ざり合った構成にもかかわらずアルバム全体の纏う雰囲気が一貫して"Something Cool"と同じ温度を保っているのがとにかく心地良い。特に、その一貫性を生み出すのに一役買っているヴィブラフォンの音色が彼女の洗練されたボーカルと見事にマッチしていてズルい…!ドラマティックかつ、往年のミュージカル映画のサントラを聴き終わった後のようなノスタルジーも感じさせてくれる、ずっと聴いていたくなるような1枚です。
■Isabelle Seleskovitch(vo) Laurent Marode(p) Nicholas Thomas(vib) Fabien Marcoz(b) Mourad Benhammou(ds)
