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伝統的なショーロからバンドリン・ソロ・ライブのアルバム、更には自身のバンドでのプログレのようなショーロ、有名サンバ歌手のバッキング、ヴェネズエラの超絶フォルクローレ楽団とのコラボ作品、そして2011年もっとも話題を呼んだアンドレー・メーマリとのジスモンチ&エルメート曲集に至るまで、その迸る好奇心と休む事を知らない創作意欲で、パワフルな音楽家の多いブラジルにおいても図抜けた存在感を示す天才/鬼才バンドリン奏者アミルトン・ヂ・オランダ。常に目の離せないアミルトンの新作は自身のキンテートと40人以上のオーケストラとの共演作という、またもや興味深い作品となった。
ガブリエル・グロッシ(ハーモニカ)、アンドレー・ヴァスコンセロス(ベース)、マルシオ・バイーア(ドラムス)、ハファエル・ドス・アンジョス(ギター)という、それぞれにリーダー・アルバムを出す名うてのミュージシャンと組んだレギュラー5重奏が生み出す、タイトかつスピード感溢れるグルーヴ。そこに30名以上の弦楽隊、更にはトランペットやフルート、ファゴットなどの管楽器が加わったオーケストラが一糸乱れぬアンサンブルでサポートしていく。まるで美しい音のカーテンが揺れるかのようにキンテートと一体となりながら大きなスウィングを生み出していくオーケストラ、そして指揮者のリズム感覚の素晴らしさ。そんな得も言われぬ高揚感が最も体感できるラストの"Caos e harmonia"はまさにタイトル通りの狂乱のカオスと極美なハーモニーが楽しめる一曲だ。もちろん作曲を担当したアミルトンの豊穣な才能も特筆。
ここ数年で2度も来日したエグベルト・ジスモンチのオーケストラとのコンサートも想起されるような音像。ブラジル音楽のポジティブで生命力溢れる音楽性がクラシックのミュージシャン達をも感化させ活き活きと演奏させてしまう。そんな美しい邂逅をこのアルバムでも聴くことができる。まさにバンドリンを持ったエグベルト・ジスモンチ。ますますアミルトンから目が離せない。
HAMILTON DE HOLANDA WEB SITE
江利川侑介
HAMILTON DE HOLANDA / アミルトン・ヂ・オランダ