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※ジャケット画像が当初発表のものから変更となりました。
「レコード芸術」誌 2016年9月号月評・特選盤
21世紀になってチェリビダッケによるオペラが聴けるとは! 決して経験がない訳ではないにも関わらず、歌劇場とは疎遠だった巨匠チェリビダッケ。しかしコンサートではしばしばオペラの序曲などを好んで指揮しました。
今回のアルバムは、圧倒的な声量を誇ったビルギット・ニルソンと正にがっぷり四つの名演集。ワーグナー作品についてはかつてGALA という海賊盤レーベルから出ていましたが、劣悪なモノラル音源で当盤とは比較になりません。特徴的な精緻を極めた弱音。繊細でいながら大きなうねりも生み出す巧みなオーケストラ・ドライヴ。熱い血を持つチェリビダッケが展開する官能美に余裕たっぷりのニルソンの堂々たる歌唱には深い感動とともに痺れる他ありません。この翌年の再共演が、イタリア・オペラのアリア3 曲です。チェリビダッケの音楽づくりはいつもの通り、ヴェルディも熟練の管弦楽作家として描き尽くします。しかしニルソンの顔を潰すような場面はなく、正に、龍虎相打つと言ったお互いの尊敬が音楽に込められております。 (資料提供:東武トレーディング)
ライナーノートより抜粋:
「ヴェーゼンドンクの歌」では、曲の性格ゆえ「トリスタン」以上に室内楽的な、細やかな響きへの配慮がうかがえる。見通しがよい響きは、どこかラヴェルのようでもある。特に「夢」が絶品だ。夜の暗闇の中で若いふたりが抱き合う「トリスタン」第2幕を先取りした音楽だが、彼の棒によってまさに夜の空気が震えるような、色がにじむような繊細な音楽が生み出されたことが、この録音からはよくわかる。(許光俊)
英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付
【収録内容】
チェリビダッケ&ニルソンによるワーグナー、ヴェルディ
[1] ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死
[2] ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集より3曲(天使、悩み、夢)
[3] ヴェルディ:歌劇「マクベス」第2幕より「光は萎えて」
[4] ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」第2幕より「ここがかの恐ろしい場所」
[5] ヴェルディ:歌劇「運命の力」第4幕より「神よ平和を与え給え」
(ボーナス・トラック)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死 リハーサル風景
【演奏者】
ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
セルジゥ・チェリビダッケ(指揮) スウェーデン放送交響楽団
【録音】
1967年9月8日[1,2]
1968年9月1日 [3-5]
以上、コンサートホール(Konserthuset、ストックホルム)
アナログ・ステレオ収録
SERGIU CELIBIDACHE / セルジゥ・チェリビダッケ
ルーマニア出身の指揮者(1912-1996)