高度な作曲技術、色彩の豊かさ、迫力満点のオーケストレーション、そしてシニカルな視点。とプロコフィエフ作品こそ、チェリビダッケの解析的名解釈が奏功するレパートリーと思われますが、意外に音盤に恵まれておりません。交響曲第1番は生前に許可した数少ない録音が2種(ベルリンフィル、ミュンヘンフィルのLD)もリリースされるなど、偏愛が伺えます。ここでは、極めて珍しいスカルラッティ・ナポリRAIとのライヴ。交響曲第5番も晩年程ではないものの腰の据わった堂々とした構え。輝かしい音色。そして運動神経抜群のオーケストラ操縦がこの時期ならではです、良好なステレオ録音。非情緒系ピアニスト、ワイセンベルクのクールで完璧なピアノに併せた協奏曲第3番。カラリと明るい音色のペルティカローリとの第5番も聞きものです。何とも言えない退廃的音色が魅力的なヴァイオリン協奏曲。そして迫力満点の「ロメオとジュリエット」より。そして珍しく東ベルリンのシュターツカペレに客演した「スキタイ組曲」も豪華な演奏です。チェリビダッケのファンにこそ聴いて頂きたい名演集。
【収録内容】 プロコフィエフ: 交響曲第1番「古典」(1961年10月22日、スカルラッティ・ナポリRAI響) 交響喬第5番(1960年1月29日、ミラノRAI響・ステレオ) ピアノ協奏曲第3番(アレクシス・ワイセンベルク、1962年1月5日、トリノRAI響) ピアノ協奏曲第5番(セルジオ・ペルティカローリ、1967年2月17日、ミラノRAI響) ヴァイオリン協奏曲第1番(フランコ・グリ、1957年12月22日、スカルラッティ・ナポリRAI響) 「ロメオとジュリエット」よりモンターギュ家とキャピュレット家、タイボルトの死(1960年4月4日、トリノRAI響・ステレオ) スキタイ組曲(1966年1月14日、シュターツカペレ・ベルリン、ステレオ) |
SERGIU CELIBIDACHE / セルジゥ・チェリビダッケ
ルーマニア出身の指揮者(1912-1996)