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● トスカニーニとハイドンの相性や如何に?
快活なロッシーニの序曲に対しては天下無双の演奏を聴かせてくれるトスカニーニも、同様に楽しく快活なハイドンやモーツアルトの曲に対しては必ずしも相性は良くなさそうです。生涯に数多くの録音を残しているにも拘わらず、トスカニーニによるハイドンの作品の公式録音は3つの交響曲と協奏交響曲しか知れていません。それらの中のNBC交響楽団を指揮した交響曲第94番”驚愕”は病的な異常さを感じさせ、また往年の名演と言われた交響曲第101番”時計”の再録音も何となくセカセカした感じがしていて、他の指揮者による数多の秀演に対して必ずしも抜き出ているとはいえない様です。今回は音楽がまだ硬直化していない、第2次世界大戦以前のトスカニーニによるハイドンの交響曲のSPレコードを入手したので蘇刻して見ました。それらはNBC交響楽団を指揮した交響曲第88番とニューヨークフィルを指揮した交響曲第101番”時計”です。前者は早いテンポで駆け抜けていますが第2楽章には流麗さがなく成功している様には聞こえません。それに対して後者は往年の名演との定評に違わず、整然としてめりはりの効いた造形美の極みとも言えるものです。しかしながらその中からは“パパ・ハイドン”を思わせる様な優しさや親しみは感じられません。やはり人間の間には「相性」が厳然として存在する様に思えますが、お聴きになって如何でしょうか?
◎収録曲 / 録音年
(1)ハイドン:交響曲第88番 (1938)
(2)ハイドン:交響曲第101番 “時計”(1929)
◎ 演奏者
アルトウーロ・トスカニーニ指揮
NBC交響楽団(88番)
ニューヨークフィルハーモニー交響楽団(101番)
◎制作者紹介
村岡輝雄
1967年九州大学大学院を卒業。日本ビクター(株)研究所・音響情報研究室長、武蔵工業大学・教授、東京大学先端科学技術研究センター・客員研究員を歴任し、現在は日本女子大学文学部・客員研究員で、併せて東京大学高齢社会総合研究機構の人間情報工学・伊福部研究室で音響信号処理の研究を行なっている。高校時代よりオーディオに取り組み、大学・大学院で電子通信工学を学んで日本ビクター(株)に入社後はプロ研究者に転向。入社後10年以上に亘って録音スタジオやレコード技術部門と連携して音楽録音技術とアナログレコードの研究に取り組み、4チャンネルレコードCD-4の基本設計とレコードカッティング/トレシング歪みの研究で工学博士を取得。ディジタルオーディオ時代以降は大学時代の音声合成認識研究の延長としてディジタル信号処理研究に取り組み、非調和周波数解析GHAの研究と実用化を行なった。大学時代から吹奏楽とオーケストラに参加し、業務で修得した録音技術を駆使して200枚以上のCDを制作して今日に至っている。
ARTURO TOSCANINI / アルトゥーロ・トスカニーニ