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「前作越えの大傑作ソロ〜キレッキレにして優美」
2017年、最も注目されているジャズ・ピアニストと言っていい高木里代子待望の新アルバムである。しかも、彼女の作品の中で極めて評価と人気の高かった「サローネ」の続編である。そして、前作を大きく超えた傑作である。
高木は、16年2月、アルバム「ザ・デビュー!」で、メジャーデビューした。前年夏の「TOKYOJAZZ」戸外ステージで2日間に渡り水着姿での演奏を繰り広げ、大きな話題を作ってのデビューで、ベストセラーとなったのは記憶に新しい。だが、その呼び水となったのが「サローネ」であった。同作は「TOKYOJAZZ」より前の15年1月にハイレゾ配信、5月にCD発売が始まっている。高木はそれ以前にもインディーズやプロジェクト名義でのアルバムリリースはあるが、実質的な全国区デビューは「サローネ」なのである。
高木は、聴き手にそう簡単に「分かった」とは言わせない音楽家である。「ザ・デビュー!」は、エレクトリック・サウンドを基盤に、ポップ、クラブ、EDMなど伝統的なジャズとは離れた場所から新しいジャズを提案して見せた。ありがちなスタンダード曲もアコースティック・トリオ演奏もなく、あくまで“前衛"。
ところが、「サローネ」は、オリジナル曲が多いとはいえ、アコースティックピアノのソロ演奏であり、数曲、スタンダードも交えた。「サローネ・フォンタナ」というクラシカルでニートな響きのするミニホール。使うはイェルク・デムスのベーゼンドルファー。阿部哲也がそれらを生かした豊かな音色の「ジャズ」に仕上げた。
片や最先端情報入れまくりの最新エレクトロ・ジャズ。片やシンプルの極みのアコースティック・ソロ。つまり、「サローネ」と「ザ・デビュー!」は2枚で一つの高木ジャズのイントロダクションだったのだ、と言えるのである。 ■ では、「サローネII」はどうか。 録音は16年12月25日。場所もピアノも阿部も前作と同じ。違うのは、ファンを招いての「公開ライブ録音」としたこと、そのために、親しみやすい曲、つまりスタンダードやポピュラーを増やしたことが大きく異なる。 それより、メジャーデビュー後の高木のピアノ音楽に対する「姿勢」が根本的に変わっていた。簡単に言えば「成長」である。初土俵の緊張はすでになく、「よりいい音楽へ向かおうとする意欲」だけが体を巡る。それゆえ「聴け!」という強引さは減り「楽しんでね!」という奥行きがハートウォームな美音を響かせる。自分はキレキレで革新を貫き、聴き手にはギリギリの優しさで手を差し伸べるようになったのだ。阿部の録音も、前作より切れ味を増しクリーンでエッジを意識したジャズ的ともいえる音色が聴き取れる。有名曲が多いので曲ごとの説明は控えることを許されたい。リスナー・ファーストのキレッキレ・ジャズ到来である。
RIYOKO TAKAGI / 高木里代子
4歳からピアノを始め、慶應大学在学中から演奏活動を開始。変幻自在なインプロヴィゼーションで人気を博す。2014年、ダイナースクラブ動画コンペで、人気投票一位を獲得しブルーノート出演。国際的コンペ「6 string theory」でピアノ部門世界第4位、モントルージャズフェスティバルジャパンコンペセミファイナル進出。2015年「東京JAZZ」出演時のパフォーマンスが話題となり各スポーツ紙等で取り上げられる。2016年エイベックスより「THE DEBUT!」リリースでメジャーデビュー。2017年JAZZ JAPAN AWARDニュースター部門賞受賞。2021年11月、初のピアノトリオアルバム第一弾「Celebrity Standards」2022年1月ピアノトリオアルバム第二弾「Jewelry Box」を発売。どちらのアルバムも、Amazonジャズ・フュージョンチャート1位、タワーレコードJAZZデイリーセールスランキング1位、ディスクユニオンJAZZ TOKYOウィークリーセールス1位をそれぞれ記録するなど話題を呼ぶ。日本全国勢力的にツアーも展開中。テレビ等メディア多数出演。TBS朝の情報番組「THE TIME」「THE TIME,」にレギュラー出演中。