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スウェディッシュ・ソング集に何かを感じられた方に是非お薦めしたい一枚。(例えば、このJAN LUNDGRENのSWEDISH FOLKSONG,VIKTORIA TOLSTOYのMY SWEDISH HEART、STEFANO BOLLANIのGLEDA SONGS FROM SCANDINAVIAなどなど)。
63年JAN JOHANSSON、そして本作のベーシストであるGEORGE RIEDELによって創られたスウェーデン縁の演奏が収められた歴史的名盤JAZZ PA SVENSKAに感銘を受けたGEMINIレーベルのオーナー。そのビョールン氏がフォーク・ソングのもつ温かさとジャズのイディオムを美しく合体させた類稀な美しさを収めたのが、この一枚なのです。
その音のもつ美しさと、ある種のノスタルジーは、理屈を越えて、聴く人の琴線に触れるものがあるのでは。
1曲目、メロディのもつ世界は、然ることながら・・・ベースがスケールにそって一音一音下降していくドラマ的な展開は泣けちゃうくらい美しい・・・。
また中のジャケットを見ると、ヘッドフォンなどなしで、生音で響き会う二人の写真が・・。当然かもしれないけど、その瞬間瞬間の空気を大切にした録音にとってヘッド・フォンなど不要だったのでしょう。お互いがお互いの音をこれ以上になく大切にして響き合わせている音というのは本当に感動的です。
コンセプト・アルバムといっても、トラッドのアレンジではなく、実は1曲を除いて2人のオリジナル。しかし、そこにそのスウェディッシュ・トラッド独特のイメージを感じるのは、空気のように、2人が、その世界を空気のように呼吸し、感じてきたからでしょう。
メロディのもつ美しさに感じ入りたい方には是非、の一枚。二人の豊穣な音の重なりには、繰り返して決して飽きることなく、新鮮な温かい気持ちにしてくれるものがあると思います。

JAN LUNDGREN(p),GEORG RIEDEL(b)

関口滋子