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あたかも、ヴィンテージ・ワインその響き、豊穣なり。大石学のピアノと過ごす、至福のひと時を、あなたに。
豊穣なり。その深さ、拡がり。ワインに例えるならば、さながらキアンティのフル・ボディと言ったところか・・・。え、下戸がワインの話をするな?お説ごもっともなれど、酒に酔わずして、音楽に酩酊する、それもまた一興ではないか。大石学のソロ・パフォーマンスを紹介するこのCDは、そういう幸福を与えてくれる類まれなる逸品だ。ヴィンテージ・ワインになぞらえたとしても、あながちに(それこそ)酔狂、とは申せまい。テーマはずばり、『響き』である。仕様楽器はFazioli。1981年創業という若いメーカーながら、既に最高峰との評価を得るイタリアのピアノだ。その真髄は『ピアニッシモ』にある。グレードもミケランジェリも、ピアノのマイスターたちは全て弱音に表現の核を賭けた。大きな音、強い音は加工することも比較的たやすいが、弱音はごまかしが効かず、しかも、音楽のニュアンスはそこに尽きるからだろうか。大石のピアノは、決してテクイニカルで派手、というものではない。むしろ、慎重に音を選び、楽器と対話するかのようなアプローチを取る。その姿勢からは、音楽とピアノに対する真摯な想いが伝わってくるようだ。オリジナルのメロディは親しみやすく、実際とても聴きやすい。けれども、試してごらん。「聞き流す」ということはできない。きっと「聴き入って」しまうはずだから。大石は、強制しない。ただ、優しくあなたに語りかけるからだ。音楽に浸る歓びについて・・・。静かな夜に、心ゆくまで味わい、そして、酔って聴きたい一枚です。(Text by 北見柊)
MANABU OHISHI / 大石学