アート・ペッパー「Surf Ride」がCRAFTMAN RECORDSから復刻

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2019.09.25

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ART PEPPER / アート・ペッパー / Surf Ride / サーフ・ライド<LP>

Surf Ride / サーフ・ライド<LP>

ART PEPPER アート・ペッパー

CRAFTMAN RECORDS / JPN / LP(レコード) / CMRS74 / 1007946056 / 2019年09月25日

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5,500円(税込)

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※LP / 完全限定プレス
躍動感溢れる若きアート・ペッパーの魅力が凝縮された2枚の10インチ盤(ディスカバリー)をカップリングした、記念すべき12インチ・デビューアルバム。

■メンバー : ART PEPPER(as), RUSS FREEMAN(p), BOB WHITLOCK(b), BOBBY WHITE(ds), HAMPTON HAWES(p), JOE MONDRAGON(b), LARRY BUNKER(ds), JACK MONTROSE(ts), CLAUDE WILLIAMSON(p), MONTE BUDWIG(b)

■アナログ盤企画/監修:塙耕記
■オリジナル・ジャケットを忠実に再現
■マスター盤プレッシング/180g重量盤


マスター盤プレッシングとは・・・
通常はカッティングされたラッカー盤(凹)から、マスター盤(凸)→マザー盤(凹)→スタンパー盤(凸)という工程でアナログ盤をプレスしますが、「マスター盤プレッシング」ではマザー盤・スタンパー盤を製作せずに、マスター盤から直接プレスします。 2度のコピーを省くため、カッティング時に近い溝が形成され、よりダイレクトでリアルな音の再生を実現いたしました。



サンプルジャケットが到着!特別公開!
サンプルが到着したのでジャケットを撮影しました。
爽やかな色味はもちろん、派手にパキッとし過ぎない経年感・ヴィンテージ感のある独特の風合いに仕上がっています。



裏ジャケットです。
付属される帯に販売に必要な情報を記載しているため、ジャケットに必要以上の表記はございません。
まさに「オリジナル・ジャケットを忠実に再現」されているかと思います。


表ジャケットのコーティング加工をご覧いただきたく照明を当てました。
照明が反射するほどデカデカと施されたコーティング加工が確認できます。
(手袋なしでジャケットを触ると指紋が付くほど・・・この撮影も気を使いました。)



裏ジャケットを上記の写真と同じ角度・強さで照明を当てています。
裏ジャケットはコーティング加工なしのため白くなるだけで反射はしません。
この差で、表ジャケットはしっかりとコーティング加工されているのを確認できるかと思います。





https://craftmanrecords.com/

アート・ペッパー(as)の処女作にして最高傑作「サーフ・ライド」、ちょっと深堀りしてみました!


★「Surf Ride」誕生の紆余曲折について


アート・ペッパーの初リーダ作品にして最高傑作とも言われる「サーフ・ライド」。
この作品が3回のセッション(March 4,1952、March 29,1953、August 25,1954)から成り、元々Discoveryレーベルが制作した2枚の10インチ盤(1DL3019、2DL3023)に収められていたものをSavoyレーベルがまとめたものであるということは、ファンの間でよく知られている事実です。


●Discovery盤 1 DL 3019(左側)2 DL 3023(右側)



Discoveryから版権を買ったSavoyでは、"These Foolish Things”など比較的地味なスタンダード曲4曲は「Two Altos」というSonny Red(as)とのカップリング作品(↓2)に寄せ、それ以外の12曲(うち10曲がペッパーの自作曲)を「Surf Ride」(↓1)にまとめました。

●Savoy(Regent)盤 1Savoy MG 12089(左側)2Regent MG 6069; Savoy MG 12215(右側)

★Surf Clubというライブハウスについて


この「Surf Ride」が、アート・ペッパーの最高傑作のひとつであることは衆目の一致するところですが、なかなかインパクトのある「波乗り」ジャケットについては、ジャズファンの議論の的になってきました。
ジャケットの是非はさておき、タイトルトラック"Surf Ride"という曲名については、当時"Surf Club"というライブハウスに定期出演していたアート・ペッパーがそのクラブにちなんでその曲名をつけた、というのが定説になっているようです。



しかも、面白いことに"Surf Club"について、Alain Tercinet著「West Coast Jazz」に以下のような記載があります。

「"Surf Club"は、その名前とは違って、ジャズを愛するビーチ観光客が集まるような場所ではなく、最も近いビーチからでも数マイル離れた、50、60人が入れるかも怪しいボロボロの建物だった。そんな地味な場所でも、出演者(当時のアート・ペッパー・カルテットの4人)は超一流だった。」

そして、その"Surf Club"に出入りしていた、ペッパーの熱狂的ファンの一人、Richard Bockという若い見習いエンジニアが、自らDownbeat誌にライブ評を投稿(↓)したり、DiscoveryレーベルのJack Bergmanに働きかけて、ペッパーの初リーダ作品のレコーディングを実現させた、ということです。



1951年のダウンビート誌投票でアルト部門で首位となったアート・ペッパーによる新しいグループを「D.ブルーベック以来の新風」と評している記事と"Surf Club"での演奏風景を捉えた写真。


「Surf Ride」の元となったDescovery盤の初録音の1か月前(1952年2月12日)に"Surf Club"での演奏を録音した音源が、70年代に入ってXanaduからリリースされています。


●「The Early Show」(Xanadu 108、左)、「The Late Show」(Xanadu 117、右)




参考文献:
Alain Tercinet著「West Coast Jazz」
jazzwestcoastresearch.blogspot.com/2016/04/art-pepper-discovery-sessions-james-a.html