2020.09.30
アーマッド・ジャマル / Chamber Music Of The New Jazz
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245731874
すでに60年近いキャリアを持ちながら、近年ますます洗練されたプレイで現役で活躍するアーマッド・ジャマルの、珍しい初期音源は、ガーシュインとコールポーターの美しいスタンダードを配したピアノトリオだ。古い音源なのでクリアな高音質とはいかないが、小粋な選曲を彩るレトロでノスタルジックなムードはレコードで聴きたい趣に満ちている。ギターも加わるなどアレンジも楽しく、センスの良いアナログマニアにおすすめのアルバムだ。(ジャズ営業部 生島昇)、
ビル・フリゼール / Valentine
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245731515
2019年ブルーノートに移籍後、コンスタントに新作を発表し来日公演もしてきたフリゼールの最新作は、ヴォーカル入りの前作とはガラリと変わり、シンプルなギタートリオでの作品だ。
ノスタルジックなアメリカーナな旋律はさらにピュアなサウンドで磨かれ、染み渡る音色はオーディオファイルにもたまらない美音響を聴かせてくれる。現代ブルーノートに欠かせないサウンドとクリエイティブが詰まっている。(ジャズ部門 生島昇)
ニール・スウェイソン / 49th Parallel
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008154921
ウディ・ショウ晩年のスタジオ録音として発掘された希少音源がLPで登場。1987年カナダ録音で、べーシストのニール・スウェイソンをリーダーでクインテット編成。どうしてもフロントのジョー・ヘンダーソンとショウに注目してしまうが、リーダーのベースがとてもシュアで風格のあるプレイで、全曲で堂々たるビートを走らせ、録音もきれいに音像が立ってなかなかの優秀録音。古さを感じないサウンドなのが嬉しい。(ジャズ部門 生島昇)
ボブ・ジェームス / Once Upon a Time: The Lost 1965 New York Studio Sessions
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008093731
人気ジャズ/キーボード奏者、ボブ・ジェームス。アーティスト本人も驚きの最初期の活動をとらえた発掘音源がLP化。
2019年で80歳を迎えた大御所、ボブ・ジェームスは言わずもがなフュージョン/クロスオーバー界の大人気のアーティスト。1964年には、エリック・ドルフィーと共演。今なお先鋭的と言える現代音楽的な楽曲“A Personal Statement”の作曲者であることでも知られ、ESPから『Explosions』をリリース。前衛的な演奏を繰り広げていた側面も持つアーティスト。
録音は、Resonanceの創始者であるジョージ・クラビン。作品は2部構成で双方1965年のもの。しかし異なるリズム・セクションを迎え、異なるスタイルの演奏を展開。クロスオーバーの大物であるボブ・ジェームスにフリージャズのレーベルESPに実はリーダー作品があることはピアノマニアなら知っているはず。
その時代のサウンドを彷彿とさせる前半部分も、今聴いても尖っていて聴きごたえがあるが、後半のアコースティックなサウンドが非常に鮮明で高音質なのが注目だ。
60年代のアナログ音源だが楽器の音色は現代の最新録音と遜色がないどころか、演奏の素晴らしさとも相まって、ジャズ・オーディオファンの期待に応える高品位なレコードだ。(ジャズ部門 生島昇)
菅原正二 / ぼくとジムランの酒とバラの日々(新版)
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008186208
ジャズオーディオファンなら一度は尋ねるであろう一関のベイシーにまつわるエピソードが満載。本書は、長くステレオサウンド誌で連載されてきた有名なコラムなので既読感はあるが、オーディオ人としての菅原氏の魅力はオーディオに失われた浪漫に満ちている。すべてのレコード演奏家のバイブルである。(ジャズ部門 生島昇)
ジョシュア・レッドマン、ブラッド・メルドー、クリスチャン・マクブライド&ブライアン・ブレイド / Round Again
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008106286
現在のジャズ・シーンを牽引するサックス奏者のジョシュア・レッドマン、ピアニストのブラッド・メルドー、ベーシストのクリスチャン・マクブライド、ドラマーのブライアン・ブレイドのカルテットによる、1994年「MoodSwing」以来約26年振りとなるニューアルバム。レッドマン3曲、メルドー2曲、マクブライド1曲、ブレイド1曲を収録。
20世紀後半に登場し、その後のジャズシーンを代表してきた大物4人が一堂に会した衝撃の話題作がアナログで登場した。個々のプレイは静かでシリアスなものだが、そのハーモニーの美しさがもたらす知的なスイングは絶品だ。繊細な音色に満たされるサウンドはハイエンド・オーディオファンもうならせるだろう。(ジャズ部門 生島昇)
ハービー・ハンコック / Live Under The Sky 1981
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008179693
多くの伝説ライブを生んだライブ・アンダー・ザ・スカイの音源がまた復刻された。1981年のライブだから、読売ランドではなく、まだ田園コロシアムで開催されていたころの音源だ。閑静な高級住宅地、田園調布のど真ん中でこんな大音響のラテンロックが鳴り響いていたのだから、今では考えられないが、真夏の野外ジャズフェスティバルの定番として毎年開催され、多くのライブ盤も残されているし、当時はFMで生放送までされていたから、カセットテープでエアチェックした御同輩も多いだろう。
この年のステージには、フレディ・ハバードに代わって初加入したウィントン・マルサリスが日本のジャズファンにお披露目された。そのVSOPクインテットは、往年のマイルス・グループの復活セッションだが、このステージはヘッドハンターズ以降のエレクトリックの最盛期でサンタナ人気もあり、ヒット曲の連続で会場の盛り上がりも最高潮だ。
ライブアンダーは台風シーズンにあたることが多く、野外ライブならではの過酷な環境も多かったが、このアルバムではトラブルなく録音されており全曲を明瞭なサウンドで堪能できる。当日、会場にいた方はもちろん、エアチェック世代のオーディオファンには当時の熱気溢れるたまらないアルバムだ。(ジャズ部門 生島昇)
林栄一 / Naadam 2020
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245734748
渋さ知らずの名演で知られる林栄一さんの名曲「ナーダム」の最新バージョンともいえる新作。MAZURU ORCHESTRAと緻密でありながら、怒涛のようなラウドでフリーな音響があのメロディに乗って生まれ変わる。日本のジャズシーンを追いかけてきた人ならそのライブ感とともに聞き逃せないアルバムだ。(ジャズ部門 生島昇)
2021.09.22
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