2024.09.30
Quest(LP/180G) / マル・ウォルドロン
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008858420
OJCからの発売。OJCのプレスティッジとかの復刻盤が大量に入荷していたというのは、37年ほど前。当時新宿のジャズ売り場では、一度に2,000枚とかの入荷があってもすぐに売れて行った。OJCとFresh Soundの復刻盤で売り場が成り立っていたと言っても過言ではない。
さて、マル・ウォルドロンの数ある名作の中で、個人的には「大変気になる存在」のレコードの一枚だ。でもそれは、マルのソロが最高だとかではない。まだ激しいジャズを求めていた大学生の頃、これを知り夢中になった。
エリック・ドルフィーとブッカー・アーヴィンという当代随一の暴れ者が躍動する「Status Seeking」だ。起伏の激しい多感な時期のボクにはピタリときた。でもその次の「Duqulity」は、ロン・カーターのセロのアルコがなんともおどろおどろしくて苦手だった。
しかし30年ほど経過した最近になって急に「Warm Canto」という曲の素晴らしさに目が覚めた。ドルフィーのクラリネットとカーターのセロのソロが物悲しい。
何で気がつかなかったのか。
ジャズ喫茶では、レコードで言うA面しか聴いていなかったので、B面に収録されているこの曲を聴いたことがなかったのだ。
しかし、いざこの魅力に触れると、クエスト=ウォーム・カントということになってしまった。
マル・ウォルドロンの曲であることが一発でわかるマイナーな曲で、『レフト・アローン』に通底する部分があるようだ。
ニュージャズ(プレスティッジ)には、こういう名もない隠れた名曲が存在しているので、ブルーノートとは違った楽しみがある。
Anna Högberg, T.A.G Jazz Trio: Tokyo Sessions’ is now out!
※CDでは発売されておりませんので、ご注意ください。
ペールエリック・ヘーグベリ駐日スウェーデン大使が、任務を完了して7月末で帰国されました。帰国前、広尾プラザのステージで、ペールエリックの夫人のアンナさんのミニコンサートが開かれました。アンナさんはジャズのヴォーカリストとしても活動していて、東京で何度もライブをされておりました。
この7月7日が帰国前最後ということでゆかりのある方々が集われたようです。観察していると、男の人も女の人もどこかの国に駐在されていた、大使、および大使夫人の方々のようでした。
ボクも、少なからず縁がありましたので、出向いた次第です。アンナさんの御父上、アンナさんの妹一家がストックホルムから来日した際、ディスクユニオンJazzTOKYOを案内しました。アンナさんの御父上は、ステファン・アベリーンの古いオリジナル盤を見つけて、「彼は幼馴染なんだよ」ととても嬉しそうでした。ボクもストックホルムには10回以上訪問しているので、現地の話でも盛り上がりました。「今度うちに遊びにおいでよ」と言われましたが、いつになることか。
さて、そのアンナさんのデジタルでのアルバムが、リリースされました。
後藤魂(ピアノ)、片野吾朗(ベース)、河村亮(ドラムス)のトリオで、日本で録音されたものです。
尚、CDは出ておりませんのでご注意ください。
曲
1. Blue Skies
2. Dindi
3. My Funny Valentine
4. Cry Me A River
5. Moon River
6. What A Little Moonlight Can Do
7. How My Heart Sings
8. Dear Old Stockholm
9. Shiny Stockings
10. Sad
6曲目の「What A Little Moonlight can Do」はビリー・ホリディの名唱で有名ですが、モニカ・ゼタールンドは、ビリー風にレコードでは歌っていました。タイトルは「O vad en liten gumma kan gno」です。映画『ストックホルムでワルツを』では、エッダ・マグナソンが熱演、熱唱してました。7曲目は「Regnets Sang」というタイトルでモニカも歌ってました。
8曲目は、懐かしのストックホルム。「Ack Vameland Du Skona」がオリジナルのタイトルで、アンナもスウェーデン語で歌っています。広尾のミニライブでも披露していました。やはり現地語で聴くと、心が震える感じがしますね。
Spotify
https://open.spotify.com/album/5QdvRtu3fQF9NrIW6H1tN0?si=WKxPgynKQ5-VR3LW00wBrg
YouTube
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ldSbD__JFcs22-HzDTF4b3nNEJFUTKq-k&si=ZhLePY8yr10Ym2gO
Apple Music
https://music.apple.com/se/album/tokyo-sessions/1764906312
ITunes
https://music.apple.com/se/album/tokyo-sessions/1764906312
写真
ペールエリック・ヘーグベリ駐日スウェーデン大使も飛び入りし、アンナさんと二人でデュエットしました。
7月7日 広尾プラザ
It's Time / KOOSJE
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008874231
夏の終わりに聴く心地よいヴォーカル・ミュージック。
下記は、バイオグラフィーを抜粋しました。
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Koosjeはオランダ出身のシンガーソングライター。彼女はネオソウル、フォークの影響、R&B、そして豊かなジャズハーモニーとボーカルの自由を強調しています。
Koosjeは演劇の家庭に生まれました。彼女の父親は監督で、母親は演劇の教師です。彼女は演技のレッスンを始めたとき、わずか11歳で、わずか14歳のときに演劇、オペラ、ミュージカルに参加しました。彼女はコリン・ベンダーズ、スティーブ・ライヒ、グウィリム・シムコックなどのアーティストと共演しました。
Koosjeは1年間演技を学び、ジャズボーカルを学ぶためにアムステルダム音楽院に行き、最終的にハーグ王立音楽院に入学しました。
彼女は2016年に卒業し、最終歌唱試験で10点(優等)を獲得し、アレンジャー、作曲家、指揮者として成長しました。
彼女は2022年にバート・ファン・リアと一緒にヘッドライナーとしてオランダ学生ジャズオーケストとツアーを行い、サブライムラジオに頻繁に出演しました。
White Buses - Passage to freedom / ベンジャミン・コッペル
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008851595
レーベルの人からこのCDを手渡たされた時、「このジャケ、レトロでなかなかいいですね」みたいなことを言った。実際このようなレトロなバスを使用したジャケットは大好きなのだから本心を言ったに過ぎない。
しかし先方は笑っていなかった。その理由が5か月の経過した今ようやく理解した。
これ単なるレトロではなく、ナチスによるホロコーストという歴史の凄惨な真実が語られている写真なのだ。
下記はベンジャミン・コッペル本人による「自由への道」の序章だ。
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私は、第二次世界大戦の最後の数か月間にナチスの収容所から2万人 の人々を救出した白いバスのキャラバンの物語にずっと魅了されてきました。そして、数人の生存者の言葉や声を中心に据え、 その声に音楽を乗せて作曲するというアイデアを、何年も育んできました。生存者との面会やインタビューを記録し、収容所を生き延びて 自由へと救出された体験の一部を形作る音楽をまとめました。生存者の実際の声が音楽に取り入れられており、これによって彼らの物語が生き生きと伝わり、戦争の犠牲者は 皆、生身の人間であることを私たち全員が思い出すのに役立つことを願っています。
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これを読んだうえでこのCDを聴くと、何か琴線に触れるようなものを感じてしまう。
※写真ライナーノーツに掲載されているものです。
Karin Krog Live / カーリン・クローグ
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008827573
Jaz.inの10月号をペラペラしていたら、杉田宏樹さんが紹介していた。これは見逃していたので早速聴いてみた。数年前のオスロのヴェニューBlaでのライブ音源が今年になって発売されたもののようだ。ギターとベースのシンプルな演奏、これがカーリン・クローグには似合う。
曲は、クローグ好きが誰でも安心して聴ける、「All I Want」から始まる。ボクは3曲目の「I’m Shadowing You」に耳を止めた。ブロッサム・ディアリーの名曲で、2000年代はじめにヤコブ・ヤングと録音した『Where Flamingos Fly』に収録されている曲だ。なんで覚えているかって?その頃、クローグとヤコブ・ヤングが来日、ノルウェー大使館で演奏したのを聴いたというのがあったから。好きな曲なんだよね、これ。
それから、「Cant Mai」も。さまざまな形態で演奏、歌声披露されてきて、そのどれもが素晴らしい。今回もライブの最後のほうに持ってきて、観客の期待に応えようという気持ちがよく出ていて、演奏もお茶目だ。
9月は、パリの有名レコード店、Paris Jazz Corner。店主のアルヌーさんと2004年6月に撮ったもの。Paris Jazz Cornerの店名サインが見えないので、もう一枚載せます。2枚を比べると壁の色が違う。昔は薄いグレイ、その後、真っ青に塗り替えたのだった。
当時は、1階がレコード中心。地下はCDが中心の在庫。また通販やオークションを行うオフィスも近くにあり、そこにもレコードの在庫が数多くあった。店舗ではないため、一般のお客さんは入れなかった。また、パリの蚤の市として知られるクリニャンクールにも支店を出していた。サンラーの特大ポスターが店内にドーンと掲示してあるインパクト大の店だった。2018年に個人旅行で訪問したけど、店は閉店しており、全体的にクリニャンクールから活気が消えていたようだ。
バーニー・ウィレンのフランスRCAオリジナル、ロンネル・ブライトのフランス・ポリドールのオリジナル盤などの綺麗なものを、それなりの適正価格で買えたのは良かった。また、日本未入荷のピアノトリオのCDとかが30枚ほどあり買い付けた。バーニー・ウィレンのIDAの入手困難盤を100枚買い付けた。というような思い出もある。2007年のパリ買付が最後だった。結局5回だけの訪問だったけど、いつもワインでもって歓待してくれたのは、嬉しかった。
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