ラリー・ゴールディングス、ピーター・バーンスタイン、ビル・スチュワートが織りなす現代最高峰ジャズ・オルガン・トリオ『Rhombus / ロンバス』発売

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2026.08.19

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現代最高峰の名手たちが織りなすジャズ・オルガン・トリオ

ラリー・ゴールディングス、ピーター・バーンスタイン、ビル・スチュワート。ジャズファンであれば、ほぼ説明不要の3人でしょう。いずれもこれまで数多くのリーダー作を発表し、サイドマンとしても膨大な録音に参加してきた、現代ジャズを代表する名手であり巨匠です。この3人が長年活動を続けているオルガントリオの新作『Rhombus』は、前作『Perpetual Pendulum』に続き、発足以来良質なメインストリーム・ジャズを送り出してきたレーベル、『Smoke Sessions Records』から4年ぶりの待ちに待ったリリースとなります。
このトリオ最大の魅力は、オルガントリオならではのファンキーなグルーヴから、スリリングな4ビート、卓越したテクニックによるソロ、そして繊細なスローバラードまで、あらゆる要素を極めて高いレベルで体現している点にあります。しかも、その演奏には全く無駄がなく、徹底して洗練されています。また、3人連名のユニット名が示すとおりリーダーを定めず、同世代のミュージシャンによるフラットな関係性の中で、長年のキャリアを通じて築き上げられたアンサンブルとインタープレイは、まさに理想的なオルガントリオの姿と言えるでしょう。

選曲のセンスも素晴らしい。キース・ジャレットの1970年代の名曲『Everything That Lives Laments』で幕を開けます。私もキースの大ファンの1人ですが、この曲が取り上げられるのは非常に珍しいのではないでしょうか。少なくとも私はカバーで聴いたのは初めてです。『Hi-Fly』では、オルガントリオ王道のアーシーでスインギーなプレイを展開。短いながらもドラマティックなドラムソロで始まるラリー・ゴールディングスのオリジナル『Rhombus』では、彼らが現代ジャズの最前線に位置する存在であることを改めて実感させます。また、先日惜しくも亡くなったアブドゥーラ・イブラヒム(ダラー・ブランド)の名曲『Mamma』では、その素朴なメロディをよりいっそう引き立てています。コルトレーンとジョニー・ハートマンによる名演で知られるスタンダード『They Say It's Wonderful』では、ミディアムテンポのスウィングでありながらしっとりと深く聴かせます。『Dissipation Blues』では、シンプルなブルースだからこそ際立つ3人の実力を存分に味わうことができます。『Penelope』はウェイン・ショーター作品の中でも、私が特に好きなアルバム『Etcetera』に収録された隠れた名曲。そして最後はセロニアス・モンクの代表曲にしてジャズ・スタンダードでもある『In Walked Bud』で賑やかに幕を閉じます。最初から最後まで緩急自在。新鮮な選曲と完成度の高い演奏によって、まったく隙を感じさせないアルバムに仕上がっています。


■Larry Goldings - Hammond B-3 organ
Peter Bernstein - guitar
Bill Stewart - drums