2026.07.10
※輸入盤、日本語帯付仕様
静謐で洗練された音楽で満たされた、魂の避難所
コンポーザー・ピアニスト、バティスト・トロティニョン通算25作目となるアルバムの登場
ピアニスト・コンポーザーのバティスト・トロティニョンが、25作目となるアルバム『Art Is Simple』を携えて帰ってきました。複雑な即興演奏や、いわゆる「アート・ミュージック」から一歩距離を置き、本作ではフォークやシンガーソングライターの音楽、そしてニューソウルの要素を織り交ぜながら、映画音楽のように情景豊かで幻想的な世界を描き出しています。楽曲は「1曲につき作曲時間は1時間まで」という厳格なルールのもと、直感を最優先して書き上げられました。このオリジナル作品集は、混沌とした現代世界に対する穏やかな抵抗として生まれたものです。そこは、静謐で洗練された音楽で満たされた、魂の避難所。——シンプルさこそが、究極の贅沢となる場所なのです。
本人コメント
ここ数年、カヴァー作品を中心としたアルバムを発表してきましたが、今回はたくさんの新しい音楽を書きたいという強い思いがありました。そこで自分にひとつのシンプルなルールを課しました。——1曲を作曲する時間は最大1時間まで。
そうすることで、考えがあちこちに散漫になるのを防ぎ、音楽言語を過剰に膨らませたいという誘惑に抗うことができます。そして何よりも、自分の直感とつながり続け、ふと訪れたアイデアを信頼し、そのまま受け入れることができるのです。
シンプルでありながら単純にならず、洗練されていて親しみやすく、エレガントでありながら「中身のない」ものにならない——それこそが本当の挑戦でした。
この考えを支えるために、即興演奏も普段より少なくしたいと思いました。アルバム全体の雰囲気はとても穏やかで、くつろいでいて、実際にはどこか漂うようです。色彩やテクスチュアには「遅さ」が満ちています。クラシック音楽の用語を借りるなら、そのエネルギーは明らかに「アジタート(agitato=激しく動揺した感じ)」ではなく、「アンダンテ(andante=歩くような速さ)」に近いものです。
また、『Art Is Simple』ではこれまで以上に制作工程にも力を注ぎました。業界用語でいうところの「ポストプロダクション」、つまり録音後に音楽を再構築する作業です。ミキシングを行い、構成を練り直し、ときには素材そのものを編曲する。こうした手法は他のジャンルではごく一般的ですが、ジャズの世界では今なお比較的珍しいことです。
インスピレーションの面では、このアルバムにはいわゆる「学術的な音楽」あるいは「知的音楽」の範疇に属さない音楽からの影響が多く含まれています。シンガーソングライターの作品、フォークやポップ・ミュージック、さらに今日のニューソウル・ムーヴメントから生まれたさまざまな音楽です。
こうした音楽世界もまた、多くの場合ある種のシンプルさへと向かっています。そのため、『Art Is Simple』の随所に、それらの痕跡を見つけることができるでしょう。
芸術家は必ずしも社会的あるいは政治的な関与をしなければならないとは思いません。しかし私は、芸術家であることを選ぶという行為そのものが、すでにひとつのコミットメントであると強く信じています。
ある意味で『Art Is Simple』は、現代社会とその変化に対する、私なりのささやかな応答でもあります。世界はますます混乱し、複雑になり、あまりにも多くの情報で溢れ返っています。この音楽は、そうしたものから少しだけ身を守るための試みなのかもしれません。それに対する小さな抵抗の形であり、自分自身を見失わないための安全な〈避難所〉を見つけようとする試みでもあります——そして、その道すがら、いくつかの重荷をそっと手放しながら。
■Baptiste Trotignon - Piano on all tracks / Fender Rhodes on 1, 6, 9, 12 / Voice on 5
Jerôme Regard - Electric Bass on 1, 2, 3, 6, 8, 10, 11, 12, 13
Raphael Pannier - Drums on 1, 2, 3, 6, 8, 10, 11, 12, 13
Laurent Vernerey - Electric Bass on 4, 7, 9
Raphael Chassin - Drums on 4, 7, 9
Romain Pilon - Guitar on 1, 2, 10, 12
Tony Rabeson - Drums on 6
Meivelyan Jacquot - Percussion on 5
Rosalie Trotignon - Voice on 5
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